今回の記事ではOpenAIのAPIキーの取得方法を解説します。
OpenAIのAPIキーを取得することで、OpenAIが提供するLLMなど、さまざまなAIサービスを自身のアプリケーションなどに組み込むことができます。
OpenAIのAPIとは?
OpenAI APIは、ChatGPTをはじめテキスト/音声/画像/マルチモーダルモデルをプログラムから呼び出せる開発者向けサービスです。
APIキーとは?
APIキーは、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を使用する際に必要な認証コードです。
APIキーの主な目的は、セキュリティとアクセス管理を提供することです。
これにより、API提供者は誰がそのAPIを使用しているかを識別し、アクセスを追跡・制御できます。
アプリや業務システムに“生成AI”機能を組み込む場合、認証用のAPIキーを取得してリクエストヘッダーに付与します。
OpenAIのAPIの種類
OpenAIは、多様なタスクに対応するため、複数のAPIインターフェースと機能を提供しています。
開発者は、目的に応じて最適なAPIや機能を選択する必要があります。
現在の主要なAPIインターフェース:
- Responses API: エージェント開発向けに設計された新しいAPIです。Chat Completions APIのシンプルさと、Assistants APIのような組み込みツール(Web検索、ファイル検索、コンピュータ操作など)の利用や状態管理を組み合わせた、より柔軟で高速なインターフェースを提供します。将来的にはAssistants APIを置き換えることが計画されています 。
- Chat Completions API: GPT-4シリーズ、GPT-4o、oシリーズなどの強力なモデルにアクセスするための主要なインターフェースです。テキスト生成、対話システム、画像入力の処理(Vision)、JSONモード、関数呼び出し(Function Calling)など、幅広い機能を提供します 。
- Realtime API: 音声対音声(Speech-to-Speech)を含む、低遅延のリアルタイム・マルチモーダル体験を構築するためのAPIです 。
- Assistants API: モデル、ツール(Code Interpreterなど)、知識(ファイル検索)を活用して複雑なタスクを実行できる、状態を持つAIアシスタントをアプリケーション内に構築するためのAPIです。ただし、2026年前半に非推奨化が発表され、Responses APIへの移行が推奨される予定です 。
- Batch API: 大規模な非同期処理を実行するためのAPIです。24時間のターンアラウンドタイム目標で、通常のAPI利用と比較して50%のコスト削減が可能です 。
その他の主要な機能(上記のAPIを通じてアクセスされることが多い):
- 画像生成 (Image Generation):
gpt-image-1
モデル(DALL·E 3/2の後継)を使用して、テキストプロンプトから画像を生成します。Images API(および将来的にはResponses API)経由で利用可能です 。 - 画像認識 (Vision): GPT-4.1、GPT-4o、o3、o4-miniなどのモデルは、Chat Completions APIやResponses APIを通じて画像入力を処理できます 。
- 埋め込み (Embeddings):
text-embedding-3-small
やtext-embedding-3-large
などのモデルを使用して、テキストをベクトル表現に変換します。これにより、セマンティック検索、クラスタリング、類似性評価、Retrieval-Augmented Generation (RAG)などが可能になります。Embeddingsエンドポイント経由で利用します 。 - 音声テキスト変換 (Speech-to-Text / Transcription):
gpt-4o-transcribe
、gpt-4o-mini-transcribe
、whisper-1
などのモデルが音声をテキストに変換します 。 - テキスト音声変換 (Text-to-Speech / TTS):
gpt-4o-mini-tts
、tts-1
、tts-1-hd
などのモデルがテキストを自然な音声に変換します。新しいモデルでは、話し方を指示する機能(Steerability)も追加されています 。 - ファインチューニング (Fine-tuning): 特定のタスクやデータセットに合わせて、既存のモデル(画像を含む)をカスタマイズします。より小さなモデルを高性能モデルの出力でファインチューニングするModel Distillationツールも提供されています 。
- モデレーション (Moderation):
omni-moderation-latest
(テキスト・画像対応)や旧来のtext-moderation-latest
(テキストのみ)を使用して、コンテンツがOpenAIの利用ポリシーに準拠しているか、潜在的に有害でないかをチェックします。この機能は無料で利用できます 。
APIキーの費用
OpenAIのAPIには、さまざまなモデルと価格があります。
2025年4月時点の主要なモデルの価格は以下のようになります。
モデル | 主な用途 | 入力トークン | 出力トークン |
---|---|---|---|
o3 | 最上位 Reasoning | $10.00/100万 | $40.00/100万 |
o4-mini | 高速・低コスト Reasoning | $1.10/100万 | $4.40/100万 |
GPT-4o | マルチモーダル(Chat/リアルタイム) | $5.00/100万 | $20.00/100万 |
GPT-4o mini | 軽量マルチモーダル | $0.60/100万 | $2.40/100万 |
GPT-4.1 | 汎用タスク | $2.00/100万 | $8.00/100万 |
GPT-4.1 mini | 低コスト汎用 | $0.40/100万 | $1.60/100万 |
GPT-4.1 nano | 超低レイテンシ | $0.10/100万 | $0.40/100万 |
- キャッシュ済み入力はさらに約75%割引。
- Batch API利用で入出力とも最大50%オフ。
- 画像生成は
gpt-image-1
で $0.01〜$0.17/枚相当。 - Web検索ツール呼び出しは $27.5〜$50/1,000回。
最新の情報はOpenAI公式サイトをご覧ください。
トークンの数え方(日本語の場合)
- 1 トークン ≒ 漢字・ひらがなを平均2〜3文字弱
- 例:「今日の献立を考えて下さい?」 → 22 トークン
- 日本語は英語より1文あたりのトークンが多め → コストもやや割高になります。
トークン量は公式ツールで試算できます:https://platform.openai.com/tokenizer
トークンの計算については下記のページで計算して下さい。
https://platform.openai.com/tokenizer
APIキーの取得手順
1.OpenAIアカウントの作成またはログイン
OpenAIの公式サイトにアクセスし、「Sign Up」ボタンをクリックします。
メールアドレスやGoogleアカウントを使用して登録を行い、メール認証を完了してください。

2.支払い情報の登録
支払い設定: OpenAIのAPIを利用するには、支払い情報を登録する必要があります。
- アカウントの「Settings」から「Billing」を選択し、「Add payment details」をクリックします。
- クレジットカード情報を入力し、登録を完了してください。

3. APIキーの生成
APIセクションにアクセス:
- ログイン後、ダッシュボードの左メニューから「API keys」を選択します。

新しいAPIキーを作成:
- 「+ Create new secret key」をクリックします。
- 必要に応じてキーに名前を付け、生成されたAPIキーをコピーして安全な場所に保存してください。
- 注意: APIキーは一度しか表示されないため、この時点で必ず保存してください。


APIキーを使ってシステムに組み込んだ例もあわせてご覧いただければ幸いです。

