初のフルファネル型AIマーケティングソリューションの登場、すべてのチャネルを双方向の対話に、そしてあらゆるキャンペーンを成長を加速させるインテリジェントなエンジンに
※本記事は2025年6月11日に米国で公開されたSalesforce Ends the Era of ‘Do-Not-Reply’ Marketing with Marketing Cloud Nextの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
Salesforceは本日、同社の主要なマーケティングソリューションの大きな進化形である「Marketing Cloud Next」を発表し、従来の一方通行な「do-not-reply(返信不可)」型マーケティングの終焉を告げました。これは単なる新製品の発表ではなく、自律型AIエージェント(英語)によってマーケティングの在り方そのものを再定義する戦略的な転換です。Salesforce Platform上にネイティブに構築されたMarketing Cloud Nextは、実用的なデータ、部門をまたいだワークフロー、そしてカスタマーファネル全体に組み込まれた自律型AIエージェントによるエージェンティック・マーケティングを実現します。これらのAIエージェントにより、従来の「返信不可」型メッセージは、すべてのチャネルで双方向の対話が可能になる対話型エンゲージメントへと進化します。さらにその裏側では、キャンペーンの構築からパフォーマンスの最適化、1対1のパーソナライズまで、これまで困難だった高度な業務をスケールを持って自律的に実行します。
他のマーケティングプラットフォームが、従来のシステムにAI機能を後付けしているのとは異なり、Marketing Cloud Nextは、エージェンティック・マーケティングのためにゼロから設計されました。このAIエージェントは、単に支援をするだけではなく、自律的に“行動”します。たとえば、「高価値顧客向けに新製品ラインの認知度を高めるキャンペーンを構築する」といった複雑なタスクを、自律的に処理します。他のプラットフォームでは、AIエージェントはしばしばインターンのように、細かな指示や綿密な管理が必要です。しかし、Marketing Cloud Nextは違います。Agentforceによって強化されたAIエージェントは、経験豊富なチームメンバーのようにビジネスを理解し、自ら判断して成果を出します。これによりマーケターは、戦略立案、クリエイティブな業務、そして顧客との長期的な関係構築に、より多くの時間を割くことができます。また、Marketing Cloud NextはSalesforce Platform上に構築されているため、これらのAIエージェントはマーケティングにとどまらず、Sales、Service、Commerceなど、全社にわたって1対1の顧客エンゲージメントをオーケストレーションすることができます。
SalesforceのMarketing Cloud担当EVP兼GMであるスティーブ・ハモンド(Steve Hammond)は次のように述べています。「Marketing Cloud Nextでは、AI搭載の機能を提供するだけでなく、完全なエージェンティック・マーケティングソリューションをお届けしています。Agentforceは業務の進め方を根本から変えますが、マーケターの代わりになるものではありません。マーケターを力づける存在です。手作業や繰り返しのタスクをAgentforceに任せることで、マーケターはビジネス全体に対してより大きな価値をもたらす戦略に集中できるようになります」
エージェンティック・マーケティングとは?
今日、製品キャンペーンの立ち上げは時間との闘いです。営業チームは「金曜日までに開始したい」と言う一方で、法務部はまだ原稿やキャッチコピーを精査中だったりします。また、パーソナライズのためのデータは古く、メールテンプレートはデザインレビューで止まったままという状況は少なくありません。これが現代のマーケターが直面する厳しい現実です。 高いプレッシャーを受けるなかスピード感が求められ、日に日に管理が難しくなっています。
一方で、顧客の目はかつてないほど厳しく、パーソナライズされたシームレスな体験への期待は非常に高まっています。顧客の3人に1人は(英語)、たった一度の悪い体験でブランドから離れ、69%(英語)が部門をまたいだ一貫した対応を求めています。しかし、75%(英語)のマーケターがAIを試験導入しているにもかかわらず、データを効果的に活用できていると感じているのはわずか32%(英語)にとどまっています。この「AIの導入」と「実際の成果」の間にある根本的なギャップこそが、今こそエージェンティック・マーケティングが必要とされる理由です。
エージェンティック・マーケティングは、AIエージェント(英語)によって実現されます。これは、自律型AIエージェントが、すべてのタッチポイントでパーソナライズされた体験をつなぎ、実行するというものです。従来の自動化とは異なり、マーケターは「リスク顧客のロイヤルティを高める」といった戦略を定義し、実行はAIエージェントに任せます。AIエージェントは、コンテンツの生成、オーディエンスの構築、メッセージのパーソナライズ、パフォーマンスの最適化、さらにはチームやチャネル間の連携まで担当します。その結果、マーケターはツールの使い分けや承認待ちに追われることなく、本当に重要なこと― 戦略、クリエイティブな仕事、ビジネスの成長に、時間とエネルギーを注ぐことができるようになるのです。
新機能
Marketing Cloud Nextは、チームがより迅速に動き、大規模なエンゲージメントを実現し、顧客ファネル全体でより良い成果を推進するための強力なエージェント型イノベーションを導入します。これらすべてを単一のプラットフォームから実現可能です。
作成:マーケターが持つ最高のアイデアは、キャンペーンの実行に数週間、あるいは数ヶ月かかるため、タイミングを逃してしまうことが多々あります。Agentforce Campaign Creationを使用すれば、マーケターは数時間でキャンペーンを構築し展開できます。Agentforceと協力してキャンペーンの全体像を策定し、AIエージェントにターゲット層の抽出、メールやSMSのコンテンツ作成、Flowでのカスタマージャーニーの設定を任せることができます。また、マーケターはMarketing Cloud Nextから直接Data Cloud内の非構造化データ(英語)を取得できるほか、Google Drive、SharePoint、Zendesk、ブログ、ドキュメントなどの新しいソースからのコンテンツを活用して、キャンペーンのパーソナライゼーションと洞察を強化できます。
エンゲージ:「返信不可」型メッセージは、会話がブロックされることで顧客関係に悪影響を及ぼします。Marketing Cloud Nextでは、行き止まりだったメッセージを、すべてのチャネルで常にアクティブなエージェント型エンゲージメントに変換できます。Agentforceは応答を処理し、コンテンツをリアルタイムで適応させ、必要に応じて営業またはサポート担当者にエスカレーションします。Agentforce Personalization Decisioningは、顧客の行動、好み、意図などのリアルタイムなシグナルを活用し、メール、モバイル、ウェブなどあらゆるチャネルでパーソナライズされたコンテンツや製品提案を推奨します。また、Agentforce Web Curationは、訪問者のコンテキストと行動に応じてレイアウト、メッセージ、推奨内容を動的に最適化し、個々の訪問者に合わせたウェブ体験を構築します。
リードの精査:マーケターは、営業チームが迅速にフォローアップできないため、リードの熱が冷めてしまうことがよくあります。Agentforce Lead Generation & Managementは、AIエージェントが自動的にリードを育成(ナーチャリング)プログラムに追加し、スコアを取得し、コンテンツを推奨します。彼らは24時間365日体制でウェブとメールを通じてリードと向き合い、育成し、リードを精査します。例えば、パーソナライズされたアプローチの作成から、複数回にわたる会話、さらには多言語での商談設定までAIエージェントが自動で対応します。また、品質やブランド基準を守るためのチェック機能や人による確認プロセスも組み込まれており、スピードを損なうことなく、現場にしっかりとしたコントロールを提供します。
最適化:現在、マーケターはキャンペーンのパフォーマンスを終了するまで確認できないため、方向修正やROIの改善が困難になっています。Agentforce Paid Media Optimizationでは、AIエージェントが広告のパフォーマンスを継続的に監視し、パフォーマンスの低い広告を一時停止し、マーケターが定義したビジネス目標に基づいてターゲティングや予算配分の改善を提案します。Segment Intelligenceは、最も高いROIをもたらすオーディエンスを特定し、キャンペーンを微調整してより大きな影響を与えることを可能にします。さらに、SalesforceとLinkedInの連携強化により、マーケターはコンバージョンイベントの追跡や、LinkedIn上での広告ターゲティングに向けた顧客リストおよび企業リストの同期が可能になります。さらに、これらのリストに対してLinkedInのオーディエンスインサイトにもアクセスできるようになり、Marketing Cloud NextおよびData Cloud上で直接利用することができます。
そして何より素晴らしい点は、Marketing Cloud Nextが既存製品と連携して動作し、2025年7月には現在の顧客にも提供開始される予定であることです。
顧客の視点:
- 「データ駆動型のマーケティング担当者として、データはキャンペーンだけのためにあるのではなく、組織の変革を推進するための基盤であると私は考えています。リスクが非常に高い医療分野では、患者体験を再構築する大きなチャンスがあります。AI などの高度なテクノロジーをそのプロセスに統合し、データの力を活用することで、より直感的でシームレスな医療サービスを提供することができます」— シカゴ大学医学部 最高マーケティング責任者、アンドリュー・チャン(Andrew Chang)氏
- 「私たちは、女性スポーツにとって一代に一度のチャンスの瞬間にあり、そのチャンスに緊急に対応しています。Salesforce は、当社のデータ、システム、そして最も重要なファンをつなぐ統合ツールです。Data Cloud、Marketing Cloud、Agentforce により、30 以上のデータソースを、パーソナライズされた 1 対 1 のファンエンゲージメント(英語)に大規模に変換しました。これにより、すべてのキャンペーン、メッセージ、そして一瞬一瞬が、試合の日と同じくらい忘れがたいものとなっています」— インディアナ・フィーバー 戦略・新規事業担当EVP、ジョーイ・グラツィアーノ(Joey Graziano)氏
- 「真の魔法は、デジタルと人間のSDRのパートナーシップにあります。彼らは一つのチームとして機能し、リアルタイムで適応しながら、コストを管理しつつ、従業員を活気づけながら、10倍の規模の企業のように行動できます」— Asymbl CEO兼創業者、ブランドン・メトカーフ(Brandon Metcalf) 氏
提供時期:
- 以下は、日本での一般提供を開始しています。
- Agentforce Campaign Creation
- Agentforce Paid Media Optimization
- Agentforce Personalization Decisioning
- Data Cloud内の非構造化データの活用
- Marketing Cloud Next
- Agentforce Web Curation 日本での一般提供は2025年10月を予定しています
- LinkedInとの連携強化 は、2025年11月を予定しています
- 以下の、日本での一般提供時期は未定です。
- Agentforce Lead Management
- Segment Intelligence
詳細情報:
- Marketing Cloud Nextが実現するエージェンティック・マーケティングについては、Connectionsの基調講演をご視聴ください(英語)。
- Marketing Cloud Nextの詳細情報や最新アップデートについては、こちら。
Salesforceについて
Salesforceは、あらゆる規模の企業がAIを活用してビジネスを再構築できるよう支援します。企業向けとして初となるデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforceは、Customer 360アプリケーション、Data Cloud、Einstein AIとシームレスに統合し、制限のない労働力を実現します。
これにより人とAIエージェントが連携し、信頼性の高い単一のプラットフォームでビジネスを成功に導くことができます。詳細は salesforce.com/jp をご覧ください。
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