※本資料は2024年4月25日に米国で発表された資料(https://www.salesforce.com/news/press-releases/2024/04/25/zero-copy-partner-network/)の抄訳版です。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
※Einstein Copilotの一般提供開始についても発表しており、詳細はリンク(https://www.salesforce.com/jp/company/news-press/press-releases/2024/05/2405021/)よりご覧いただけます。
Zero Copy Partner Network は、初期パートナーのAmazon Web Services (AWS)、Databricks、Google Cloud、SnowflakeにMicrosoftを加え、顧客があらゆるデータに接続し、アクションを起こすための安全でコスト効率の高い方法を提供するSalesforceとのゼロコピー統合の取り組み
Apache Icebergのようなオープンなテーブルフォーマットで構築されたデータウェアハウスやデータレイクハウスをSalesforce Data Cloudでゼロコピーサポートすることで、データのコピーや移動が不要となり、顧客はデータを解放することで、AI、自動化、アナリティクスでCustomer 360の体験を強化が可能に
このネットワークには、Salesforce Data Cloudに価値ある新しいデータセットをもたらす新しいZero Copy データキットを構築するSalesforce ISVパートナーや、Salesforce Data Cloudの実装で顧客を支援するAccenture、Cognizant、Deloitte Digital、PwCなどのSalesforce SIパートナーも参画
米国セールスフォース(以下、 Salesforce)は、Salesforce Zero Copy Partner Networkを発表しました。本ネットワークは、Salesforce Data Cloud(https://www.salesforce.com/jp/data/)とのセキュアで双方向のゼロコピー統合を構築し、Salesforce Einstein 1 Platform(https://www.salesforce.com/jp/products/platform/overview/)全体でデータを活用できるようにするテクノロジーおよびソリューションプロバイダのグローバルエコシステムです。Salesforceは、Apache Icebergのオープンテーブル形式を利用するオープンデータレイクとレイクハウスの新しいゼロコピーサポートや、価値のあるデータセットをData Cloudの顧客に配布するためのデータキットを開発するISVパートナーのゼロコピーサポートの追加などのイノベーションを発表しました。
Salesforceのプレジデント 兼 最高執行責任者(COO)のブライアン・ミルハム(Brian Millham)は、次のように述べています。「今日のデジタル環境では、企業はさまざまなシステムに分散したデータの島と苦闘しています。このグローバルなパートナーエコシステムにより、企業はあらゆる場所に存在するすべてのデータにアクセスし、Salesforce内であらゆるデータのパワーを引き出すことが可能となります」
ゼロコピーが重要な理由
Salesforce Data Cloudは、構造化および非構造化を問わず、すべての顧客データを統合し、Salesforce内でアクセス可能な360度のビューを提供します。チームは業務フローの中で直接データに基づいた意思決定を行うことができます。
このデータは、情報へのアクセスにとどまらず、実用的なインサイトを促進します。例えば、顧客が自社ウェブサイトの価格ページを訪問した際に、Slackメッセージで営業担当者に通知するなど、顧客の行動に基づいた自動化されたトリガーが想定されます。このリアルタイムの情報により、迅速なエンゲージメントが可能になります。Data Cloudは、信頼できるAIの基盤も提供します。データを一元化してクレンジングすることで、AIモデルが最も正確な情報に基づいて動作するようになります。Salesforceは以前、Amazon Redshift、Databricks、Google CloudのBigQuery、Snowflakeとのパートナーシップを通じて、Data Cloudとのゼロコピーにより双方向で統合するコンセプトを導入しました。ゼロコピーなしでは、企業はSalesforceから外部データウェアハウスへのデータの統合と移動のために、カスタム統合と複雑なデータパイプラインに頼る必要があります。従来の抽出や変換、ロード(ETL)プロセスやデータパイプラインとは異なり、ゼロコピー統合は、データをビジネスアプリケーションに接続する、より効率的で安全でユーザーフレンドリーな方法を提供します。
Zero Copy Partner Networkによる、Salesforce Data Cloudとのセキュアな双方向ゼロコピー統合の実現に向けた取り組み
Salesforceのゼロコピー統合により、組織は次のことが可能となります。
- コピーなしで(リバースETLなしで)ライブの外部データにアクセス:リバースETLパイプラインを立ち上げるなど、他のシステムからデータにアクセスする従来の方法は、コストがかかり、脆弱なものでした。企業は、接続を構築して維持し、時間の経過とともに変化するデータを調整する必要があります。ゼロコピー統合により、Salesforceのチームはクエリまたはファイルへの仮想アクセスによって、データが存在する場所からデータにアクセスすることができます。
- 業務フロー中で、どこからでもデータにアクセス可能: Data Cloudに取り込まれ、解放されたデータは、Salesforceのメタデータフレームワークの一部となり、ビジネス インテリジェンス (BI) やAIインサイトの生成、マーケティングのセグメンテーションや有効化、セールス、サービス、マーケティング、コマースにわたる統一された顧客体験の作成、Tableauによる分析など、様々な方法で使用できます。例えば、Data Cloud-Triggered Flowは、出荷が外部のデータレイクで遅延とマークされた際、Slackでアカウントマネージャへ最新の状況を伝え、すぐにクライアントに連絡できるようにします。
- Customer 360のインサイトをコピーなしで共有:Salesforceのゼロコピー統合は、単にウェアハウスやデータレイクからデータを読み取るだけではありません。データを複製することなく、AIやBIのインサイトとともに、調和され統合された顧客データなど、貴重なインサイトをこれらのシステムに戻して共有できます。
- ガバナンスとセキュリティの維持: 従来のデータガバナンスでは、ソースデータの整合性を維持するためにシステム間でデータを手動でコピーすることが多く、下流に移動するデータを追跡する機能が犠牲になっていました。ゼロコピー統合は、手作業によるデータ移動の必要性を排除し、データが元の場所に残るため、データの系統が維持されます。さらに、ゼロコピー統合により、データソース自体で一元的なアクセス制御が可能になるため、セキュリティ管理が簡素化され、データをビジネスに公開する際のリスクを最小限に抑えることができます。
- 生成AIのグラウンディング:構造化データだけでなく、PDFや通話記録、メールなどの非構造化データにも接続できるゼロコピー統合機能により、Einstein Trust Layer(https://www.salesforce.com/jp/products/secure-ai/)を通じて送信されるあらゆるAIプロンプトに統一されたビジネスデータを迅速かつ容易に取り込むことができます。これにより顧客は、既製のLLMをファインチューニングすることなく、すべてのSalesforceアプリケーションに信頼できる適切な生成AIを導入できます。
重要な理由:ほとんどの企業は複数のシステムを使用してビジネスを管理していますが、アプリケーションのわずか28%しか接続されておらず(https://www.salesforce.com/news/stories/connectivity-report-announcement-2024/)(英語)、ビジネスリーダーの80%以上がデータの断片化とデータのサイロ化に悩んでいます。完全なカスタマージャーニーを理解するためには、これらのデータを統合し、顧客を360度で可視化することが求められます。しかし、散在するデータが課題となり、データの統合やインサイトの創出、エンゲージメントシステムへのフィードバックは困難なものとなっています。
そこで導入されたのが、コピーなしで統合できるSalesforce Data Cloudです。これにより、企業はメタデータを統合しながら、データを元の場所に保持することができます。これにより、Salesforce内のすべてのデータの能力が解放され、整合化、統一化、また顧客の包括的な可視化が可能となります。営業担当者、サービス担当者、マーケティング担当者の全員が同じ情報を見ることができるため、部門を超えたコラボレーションが促進され、データに基づいたアクションを取ることができるようになり、顧客体験の向上が促進されます。さらに、これらの豊富なインサイトは、企業のデータウェアハウスやデータレイクからもアクセスできるため、下流のアプリケーションでも統合された顧客データを活用できるようになります。
詳細情報:
Microsoft との新しい統合
本日、SalesforceはMicrosoft Azureを使用したゼロコピーでのData Cloudとの統合を可能にするMicrosoftとのパートナーシップ拡大を発表しました。これにより、顧客はAzure Synapseで重要なビジネスデータにアクセスし、Microsoft FabricとSalesforce Data Cloudで双方向のゼロコピーデータのアクセスができるようになります(詳細は原文(https://www.salesforce.com/news/press-releases/2024/04/25/zero-copy-partner-network/)参照)。
ファイルレベルのゼロコピーデータアクセスのサポートを拡張し、オープンデータレイクやウェアハウスからのデータをロック解除
ゼロコピーによる外部データプラットフォームからのデータアクセスに対するData Cloud のサポートは、現在ライブクエリによって実現されています。つまり、Data Cloudでの操作に外部データセットからのデータが必要な場合、ソースデータプラットフォームのクエリ API にSQLクエリを発行してデータを取得します。ライブクエリパターンは、クエリインターフェイスを提供するデータウェアハウスでは理にかなったものです。ウェアハウスのネイティブ クエリエンジンは、各プラットフォーム独自のデータ形式でデータを読み取る必要があるためです。
しかし、オープンデータレイクやレイクハウスパターンが一般的になるにつれ、Apache Icebergのようなデータパワードテーブルフォーマットにアクセスする別の方法もあります。Icebergは、オープンフォーマットであるため、Data Cloudのクエリエンジンはこれをネイティブに読み取り、Iceberg テーブルに格納された外部データを直接参照できます。これにより、Data Cloudでデータを仮想化する新しい低レイテンシな方法が実現し、ストレージレベルでの直接ファイルアクセスが可能になります。
Data Cloudはまもなく、ゼロコピーデータアクセスを、Icebergにデータを格納する、あるいはテーブルにIcebergメタデータを提供できるオープンデータレイクやレイクハウスにも拡張する予定です。これにより、データプラットフォームやカスタムデータレイクのエコシステムがさらに拡大し、ゼロコピーのサポートに関する顧客の選択肢が広がります。
新しいゼロコピーデータキットにより、ISVとデータプロバイダーは顧客のために新しいデータセットを解放可能
今日、ISVはデータキットを使用してデータセットを配布し、Data Cloudの顧客データを充実させることができます。データキットは Data Cloudメタデータのコンテナであり、Salesforce AppExchangeからパッケージ化してインストールできます。データキットを使用すると、ISV は価値の高いデータセットを Data Cloudの顧客に配布し、そのデータをData Cloudの顧客データモデルに変換することなく Data Cloud にマッピングすることができます。
データキット にゼロコピーサポートを追加することで、顧客はDun & Bradstreet、Moody’s、Own Company、The Weather Company、Workday、Zoominfoなどのパートナーからの新しいサードパーティデータセットにアクセスし、自社のデータプラットフォームへのアクセスに使用しているのと同じゼロコピー統合を通じて顧客プロファイルを充実させることができます。例えば、The Weather Companyは、顧客がリアルタイムの地域気象データでデータモデルを充実させることを可能にし、保険会社が大嵐の前に予測的なアウトリーチを行ったり、リアルタイムの気象データで生成AIを基礎づけるなど、気象状況に基づいてより多くの情報に基づいた意思決定や行動を取ることを支援します。
開発者はHeroku Postgresのゼロコピーサポートにより、Herokuアプリのデータを解放することが可能に
Herokuはまもなく、Salesforce Zero Copy Partner Networkのパートナーを含む、HerokuとData Cloudの両方を使用する開発者に、リレーショナルデータの可能性を最大限に引き出す機能を提供予定です。データ転送を排除することで、Zero Copyは、Data Cloudを利用したSalesforceエクスペリエンス、および既存のHerokuアプリケーション全体で、強力なインサイトと革新のためにHeroku Postgres上のデータをシームレスに活用することができます。この統合は、多様なスキルセット、言語、オープンスタンダード、完全に管理されたオペレーションをサポートし、管理されたデータの価値を最大化しながら、開発者の柔軟性に対するHerokuのコミットメントを強化するものです。
Zero Copy Partner Networkにより、Data Cloudのゼロコピー実装を通じて顧客をリードするSIパートナーを支援
Salesforce Zero Copy Partner Network の一員として、Accenture、Capgemini、Coastal、Cognizant、Deloitte Digital、IBM Consulting、Publicis Sapient、PwC、Slalom、Wipro などの業界をリードするパートナーが、ゼロコピー統合パターンを含むData Cloudの統合を支援できるようになりました。たとえば、金融機関はSalesforceのSI パートナー(https://appexchangejp.salesforce.com/consulting)を活用して、Data Cloudを既存のデータインフラストラクチャと統合することができます。この統合により、閉じ込められたデータを解放し、顧客のためのリッチでパーソナライズされたエンゲージメントを促進するインサイトを、迅速かつ大規模に生成することができます。
提供時期
- SnowflakeおよびGoogle BigQueryとのゼロコピー統合は、現在利用可能です。
- DatabricksおよびAmazon Redshiftとのゼロコピー統合は、現在パイロット提供しており、2024年後半に一般提供を開始予定です。
Salesforceについて
Salesforceは#1 AI CRMです。CRM(顧客関係管理)+AI+データ+信頼を Einstein 1という一つの統合プラットフォームで実現することで、全く新しい方法で顧客とつながることを可能にします。Salesforceの詳細については、salesforce.com/jp をご覧ください。
ここで言及された未提供のサービスや機能は、現在利用できないものであり、予定通りに、または全く提供されない可能性があります。お客様は、現在利用可能な機能に基づいて購入をご判断くださいますようお願いいたします。
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