OpenAI、GPT-5を正式発表 精度と信頼性を大幅向上

OpenAIは2025年8月7日、新たなAI言語モデル「GPT‑5」を正式にリリースした。本モデルはChatGPTの無料および有料ユーザーに対して段階的に提供され、従来のGPT‑4oなどに代わる標準モデルとして展開される。新たに搭載された「思考ルーター」機構により、ユーザーの入力に応じて通常応答・高精度思考・専門推論といった最適なモデル構成が自動選択される点が大きな特徴である。

生成AI市場ではこれまで、誤情報の抑制や複雑な問いへの対応力が課題とされてきた。GPT‑5は、こうした懸念に応える形で誕生しており、推論モードではGPT‑4o比で45%、GPT‑3系比では80%以上の誤情報発生率を低下させた。また、特定の応答スタイルを設定できる「パーソナリティ」機能も新たに搭載され、利用者は「Cynic」「Robot」「Listener」「Nerd」などの応答スタイルを選択できる。

性能面でも大幅な向上が確認されている。例えば、数学コンペAIMEにおいては94.6%、ソフトウェア問題解決ベンチマークSWE-Bench Verifiedでは74.9%、GPQA(高度な質問応答)では88.4%と、複数のベンチマークで現行最高水準のスコアを記録。特に長文推論や複雑な文脈理解、専門的な質疑応答において精度が著しく向上している。

OpenAIはGPT‑5のAPI版も同時に提供開始しており、gpt‑5、gpt‑5‑mini、gpt‑5‑nanoの3モデルをラインアップ。料金はそれぞれ1M入力トークンあたり1.25ドル/0.25ドル/0.05ドル、出力トークンあたり10ドル/2ドル/0.40ドルとなっている。さらに、GmailやGoogleカレンダーとの連携、音声モードによる対話機能も一部ユーザー向けに展開を始めており、用途の多様化にも対応している。

企業向け展開も加速しており、Amgen、Figma、Morgan Stanleyなどが既にGPT‑5を業務活用に導入している。各社は、業務効率の向上や意思決定支援への効果を実感しており、今後の商用展開に拍車をかける見通しだ。また、一般ユーザー向けには段階的に無料枠も展開され、利用の裾野が一層広がることが期待されている。

引用

GPT-5 が登場 | OpenAI

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