昨年の夏、Google は AI を活用したリサーチや執筆する際のアシスタントである NotebookLM を発表しました。そして本日より、 Google Labs で Gemini 1.5 Pro を搭載した更新版の NotebookLM を日本語を含む言語で 200 以上の国と地域に順次提供します。
私たちが NotebookLM で目指してきたのは、複雑な資料を理解して精査し、情報から新しい類似性を見つけ、下書きなどをすばやく作成するのに役立つツールの開発です。研究論文や取材記録、仕事でのドキュメントなどの参照文献(ソース)をアップロードすると、NotebookLM がそれらの重要な資料を理解し、必要なサポートを提供します。また、本日からお使いいただける NotebookLM では、英語で提供していたものから更新し、いくつかの新機能も導入します。
- Google ドキュメント、PDF、テキスト ファイルに加えて、Google スライドと Web URL をソースとしてサポートします。
- インラインでの引用により、ソース内の参照箇所に直接移動できるようになりました。これにより、回答をより簡単にファクトチェックしたり、参照元の文言や文脈を詳しく調べることができます。
- Notebook ガイド がソースを FAQやブリーフィング ドキュメント、学習ガイドなどの便利な形式に変換することで、内容を詳細に理解できます。
Gemini 1.5 Pro のネイティブなマルチモーダリティにより、スライドやドキュメント内の画像、グラフ、図についても質問できるようになりました。NotebookLM では、関連する場合、裏付けとなる証拠として画像の引用も含まれます。
ユーザーによる活用例
昨年の米国での提供開始から、NotebookLM はさまざまな用途で活用されています。NotebookLM は、著者や学生、教育関係者との緊密な連携に基づいて開発されており、初期に導入した多くのユーザーが研究や執筆活動に活用しています。例えば、ベストセラー作家のウォルター アイザックソンは、NotebookLM を利用し新作の執筆のためのリサーチでマリ キュリーの日記を分析 しています。また、多岐に渡るアーカイブから脚本やストーリーのアイデアを見つけ出すドキュメンタリーやポッドキャストの制作者からも、同様の期待感を持って受け入れられています。Gemini 1.5 Pro の高度な推論機能と NotebookLM のソース グラウンディング アーキテクチャを組み合わせることにより、他にも多くの用途が考えられます。
- トーマス ゴーム氏は、地方自治体の活動において市の条例や土地利用データ、ゾーニングコード、議会の議事録を集約した ローカル ニュースレターを NotebookLM を活用し、作成しました。
- NotebookLM のインタビューの文字起こしの要約や編集機能を活用することで、未着手の文字起こしからパターンやテーマを特定し、手動での分析時間を大幅に短縮できます。たとえば、例えば、コンサルタントのビクター・アデフイエ氏は、NotebookLM を活用して営業電話の文字起こしを分析し、より効果的なトレーニングやコーチングを実施しています。
- 非営利団体は、サービスが行き届いていないコミュニティのニーズを特定し、助成金申請用の情報を整理するために NotebookLM を導入しています。
また、14,000 人のメンバーからなる Discord コミュニティの協力により、予想もしていなかった遊び心に満ちた活用例も生まれています。
- RPG の愛好家は、NotebookLM を使用して、ダンジョンズ&ドラゴンズなどのゲームでファンタジーの世界での詳細な設定を管理しています。
NotebookLM の使い方
NotebookLM は簡単にはじめることができます。 NotebookLM にアクセスし、新しいノートブックを作成します。 そして自分が作成したいプロジェクトのための参照資料をアップロードすると、読み上げやブリーフィングシートの作成、FAQ、アイデアの整理などが可能になります。また、NotebookLM に質問して、すべてのソースの概要 ( 学習ガイドや目次など ) を自動的に作成することもできます。
NotebookLM は、空想世界の想像から伝記の執筆、営業担当者による新規顧客の開拓の支援などにおいて、大量の文書から関連性を見つけ出し、インサイトを提供してきました。今回の多言語と複数地域への展開により、世界中のユーザーに NotebookLM をお使いいただけるようになることを楽しみにしています。
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