中国のAIスタートアップMoonshot AIは、大規模言語モデル「Kimi K2」をオープンソースとして公開しました。
Kimi K2は、Mixture-of-Expertsアーキテクチャを採用し、総パラメータ1兆、アクティブパラメータ32億という構成で、非推論型モデルとして世界最高水準の数学やプログラミング能力を実現しています。
Kimi K2は、基盤モデル「Kimi-K2-Base」と対話特化版「Kimi-K2-Instruct」の2種を用意。OpenAIやAnthropicと互換性のあるAPIにより既存AIシステムとの統合も容易で、vLLMやTensorRT-LLMなど推論エンジンが推奨されている。
ベンチマークでは、コーディング分野のSWE-bench Verifiedで65.8%、LiveCodeBenchで53.7%など、既存OSSモデルやGPT-4.1を上回る性能を記録。Tau2やAceBench、OJBenchといった実用ベンチでも優れた成績を残しています。

技術面では、独自のMuonClip最適化と15.5兆トークンによる大規模事前学習で、高精度かつ安定した推論を実現している。
今後は数週間以内に外部ツール連携(MCP機構)を実装予定で、将来的には視覚入力や長時間推論などのエージェント機能拡張も計画しています。
Kimi K2の利用方法として、Webやモバイルアプリのkimi.comから無料でモデルを利用できる(2025年7月現在)。
現時点ではWeb・アプリ向けのMCP機能は開発中だが、近日中に段階的な公開が予定されている。
研究者向けには一部のエージェント機能が先行提供されており、画像認識機能は今後の対応となる。
API経由ではOpenAIやAnthropic互換のインターフェースが用意されており、既存アプリケーションからの移行やエージェントアプリ開発に適したツールコールAPIの活用が推奨されている(詳細はplatform.moonshot.aiを参照)。
セルフホスティングの場合は、vLLM・SGLang・KTransformers・TensorRT-LLMなどが対応環境として推奨されており、GitHubリポジトリで詳細な導入手順が提供されている。
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