概要
Google が 2025 年 5 月に公開した AI Edge Gallery は、Android 端末だけで大規模言語モデル（LLM）をオフライン実行できる実験的アプリです。
通信が一切不要なため、様々な環境でセキュアに生成AIを利用できます。
AI Edge Galleryの主な特徴と機能
Google AI Edge Galleryの主な特徴は以下の通りです。
- AI Chat：マルチターン対話型インターフェース
- Prompt Lab：要約、文章生成、コード生成など単発プロンプト向けの機能
- Ask Image（マルチモーダル）：画像をアップロードして質問可能（テキスト＋画像入力）
- モデル選択：Hugging Face LiteRTコミュニティから複数モデルをダウンロード可能
- パフォーマンス測定：TTFT（初回トークン生成までの時間）やデコード速度をリアルタイムで表示
- 持ち込みモデル：自作の.taskファイルをインポートしてテスト可能
対応モデルには、Google製のGemma-3シリーズ、MicrosoftのPhi-4-mini、AlibabaのQwen-2.5、OllamaのTinyLlama、DeepSeek-R1など幅広い選択肢があり、ニーズにあわせて選択することができます。
AI Edge Galleryの料金
現時点では実験的なアプリのため、基本的には無料でGitHub上からAPKを入手可能です。
ただし、ライセンス同意が必要なモデルもあり、利用条件はモデルによって異なります。
AI Edge Galleryの使い方
セットアップ手順は以下の通りです。
環境
Pixal8a
OS:Android15
1.APKの入手・インストール：GitHubから最新版APKをダウンロードし、Android端末へインストール。
2.端末のファイルマネージャーを開き、ダウンロードした.apkファイルを探してタップします。
※Play Store には未公開の実験アプリなので “提供元不明のアプリ” 扱いになります。インストール前に設定 → セキュリティ → “不明なアプリのインストールを許可” を一時的に ON にしてください。
3.インストール後、アプリを起動すると、「Prompt Lab」「AI Chat」「Ask Image」など、さまざまなAI機能のグリッドが表示されます。
4.今回は「AI Chat」を実行します。
タスク選択→モデル選択→ライセンス同意後ダウンロード。
※Hugging Face（HF）アカウントのサインアップと、特定のライセンス条項への同意が必要です。
5.今回はAlibaba（アリババ）が開発した大規模言語モデル「Qwen」シリーズの軽量モデルを試してみます。
軽量版ということもあり、プロンプトから回答がズレたり文字化けや誤字脱字など、実際の業務や高度な活用には少し物足りなさを感じる場面もあるかもしれません。
おわりに
Google AI Edge Galleryは、オフラインでも使えるAndroid向けの最先端AIアプリで、チャットや要約、画像を活用した質問など多様な用途に対応可能です。
今後のiOS対応やさらなる機能の安定化・拡充が期待されています。
特に開発者向けにはAPIとの連携や自作モデルのテストなど、幅広い実験・開発用途で活用が期待されます。
