Google、次世代AI「Gemini 3」発表

2025 年 11 月 19 日にGoogleは、これまでで最も高性能とうたう生成AIモデル「Gemini 3」を正式発表し、第一弾として「Gemini 3 Pro」のプレビュー提供を開始した。
Gemini 1のネイティブなマルチモーダル対応、Gemini 2で培ったエージェント機能と推論能力を統合し、「あらゆるアイデアを現実にする」ことを掲げる新世代モデルだ。
発表と同時に、検索やGeminiアプリ、開発者向けサービスなどGoogle製品群へ一斉展開される点も特徴となる。

背景として、Gemini 時代の開始から約 2 年の間に、AI 要約機能の月間利用者は 20 億人、Gemini アプリの月間ユーザーは 6.5 億人へ拡大し、Google Cloud 顧客の 70%以上が Google の AI を利用しているという。
さらに 1,300 万人超の開発者が Gemini 系モデルを前提に開発を進めており、既存ユーザー基盤に対して第三世代モデルを投入するかたちだ。

Gemini 3 Pro は、100 万トークンのコンテキストウィンドウとマルチモーダル入出力を備えたフラッグシップモデルで、モデルIDは「gemini-3-pro-preview」。
主要ベンチマークでは LMArena で Elo 1501 を記録し、Humanity’s Last Exam 37.5%、GPQA Diamond 91.9%、MathArena Apex 23.4%など、博士号レベルの推論が求められるタスクで従来の Gemini 2.5 Pro を大きく上回った。さらに MMMU-Pro 81%、Video-MMMU 87.6%、SimpleQA Verified 72.1%と、画像・動画理解や事実性評価でも最先端クラスのスコアを示している。

推論をさらに強化するモードとして「Gemini 3 Deep Think」も導入される。Deep Think は Humanity’s Last Exam 41.0%、GPQA Diamond 93.8%、ARC-AGI-2(コード実行あり)45.1%と、Pro を上回る成績を記録し、新規性の高い課題に対する問題解決力を示した。
安全性評価やセーフティーテストを経たのち、数週間以内に Google AI Ultra サブスクリプション利用者へ順次開放される見込みだ。

プロダクト面では、「学習・開発・計画」の 3 領域での活用が打ち出されている。学習分野では、学術論文や長尺の講義動画、手書きレシピ、スポーツ試合の映像などをまとめて取り込み、インタラクティブなフラッシュカードやビジュアル教材、トレーニングプランといった形で再構成できる点を強調。
開発分野では、自然言語からリッチな Web UI や 3D コンテンツを生成する「バイブ コーディング」と、ターミナル操作やバグ修正までこなすエージェント・コーディング能力が向上し、WebDev Arena 1487 Elo、Terminal-Bench 2.0 で 54.2%、SWE-bench Verified で 76.2%と高いスコアを残している。

利用面では、一般利用者には Gemini アプリ経由で順次提供され、検索については Google AI Pro/Ultra 契約者向けに「Google 検索の AI モード」として Gemini 3 が搭載される。
開発者向けには Gemini API(Google AI Studio)、Vertex AI、Gemini CLI、新しいエージェント開発プラットフォーム「Google Antigravity」で利用可能となり、企業向けには Vertex AI と Gemini Enterprise が入口となる。
さらに、Google AI Ultra の加入者は、Gemini アプリ内の「Gemini Agent」を通じて、Gmail 受信トレイ整理や旅行計画などの複数ステップのタスクを半自動で任せられるようになる。

引用

Google
Gemini 3 による知性の新時代 本日、Gemini 3 を発表します。あらゆるアイデアを実現するのに役立つ、最も高性能なモデルです。
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