DMP、最先端AI推論と高精度リアルタイム3D測距エンジンを統合した次世代エッジAI SoC『Di1』を発表

~ Computex Taipei 2025にて世界初公開 ~

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(本社:東京都中野区、代表取締役会長兼社長CEO:山本達夫、以下「DMP」)は、本日、次世代エッジAI向けSoC「Di1」を発表いたしました。Di1は日本および台湾での提供を皮切りに順次グローバル展開を予定しており、2025年5月20日より開催される「Computex Taipei 2025」で初公開いたします。

Di1は、DMP独自の高性能AI推論エンジン(ViT/FP4対応)、ハードウエアベースの高精度リアルタイム3D測距エンジン(ステレオビジョン)、および台湾の有力イメージング技術企業であるiCatch Technology社(本社:新竹市、以下「iCatch」)の高性能ISP(Image Signal Processor)をワンチップに統合しています。これにより特に高度な画像AIアプリケーションにおいて、競合製品を凌駕する機能および性能を備えた次世代エッジAI SoCです。

Di1はエッジAI SoCとして世界で初めて(注:DMP調査による)FP4(4ビット精度の超軽量推論モデル)を実装しており、最先端のAIモデルを効率的に実行可能です。 

近年、AI技術は目覚ましい進化を遂げ、特にNVIDIA社のGPUを中心としたクラウドAIモデル学習が加速しています。一方で、学習済みモデルを使い、実世界のデバイスで推論する「エッジAI」においては、消費電力、コスト、処理速度、そして高度な機能統合が大きな課題となっていました。

DMPは、パーパスである「Making the Image Intelligent(画像の知能化)」のもと、世界有数のGPUベンダーとして、これまで培ってきた高度なアルゴリズム、ソフトウエア、ハードウエア技術と、ファブレスSoCベンダーとしての実績とノウハウを活用し、成長するエッジAI市場におけるこれらの課題を解決すべくDi1を開発しました。

DMP独自の4TOPS NPU(ViT/FP4対応)による最新AIモデル(Transformer等)の低消費電力・高効率な推論実行、高精度なリアルタイム3D測距ハードウエアと、iCatch提供の高性能ISPによる業界最高クラスの4K HDR映像処理能力をワンチップに集約。これにより、エッジAIデバイスの劇的なシステムコスト削減、小型化、低消費電力化、開発期間短縮が実現します。

特に、NVIDIA Blackwell™等のGPUで学習された最新の大規模AIモデルを、Di1の先駆的なFP4サポートおよびDMPの提供するツールにより、電力とコストに制約のあるエッジデバイスで効率的に実行できる点は、急速に広がる推論の市場におけるDi1の位置づけをより強固にすると考えています。

Di1の主な機能

  • AI NPU (ViT/FP4対応)
  • リアルタイム3D測距ハードウエア
  • 4K HDR対応ISP
  • H.264/265 Codec
  • 8CHカメラ入力
  • CPU Arm Cortex-A53 Quad Core
  • GPU 2Dベクターグラフィックス
  • Security: AES/SHA 他
  • GbE, USB3.2, その他各種I/F
                        Di1ブロックダイアグラム

Di1の特長

  • これまで高価格なSoCにのみ実装されていた高度な機能ブロックをワンチップで統合したことで、コストや電力制限で実現できなかった難易度の高いエッジAIユースケースへの対応が可能になります。
  • 特にリアルタイム3D測距、高画質ISP、高性能AIの組み合わせにより、ドローンやロボティックスなどに要求される3D空間における高度な視覚認識やAI処理を実現します。
  • 各種専用HWアクセラレータ、Vision Transformer (ViT)、FP4等を実装したことにより高速、低消費電力を実現。シングルチップによるシステム構成が可能になり、システムコスト削減やバッテリー駆動機器による長時間稼働を実現します。
  • 最大8CHカメラ入力、ネットワーク、および豊富なI/Oインターフェースにより柔軟なシステム構成による多様な製品開発が可能になります。
  • 高機能セキュリティハードウエア実装により、堅牢でセキュアなネットワーク構築が可能になります。
  • 2Dベクターグラフィックスハードウエアの実装により、シングルチップでHMI構築を実現します。

ターゲットアプリケーション

Di1は、機能の高集積化、高画質処理、およびモデルやデータ処理効率性により、以下の分野をはじめとする幅広いエッジAIアプリケーションに最適です。

  • セキュリティカメラ: AIによる異常行動検知をリアルタイムに実行し、防犯性能を飛躍的に向上
  • 車載機器 (ADAS/DMS): ドライブレコーダー等での高画質録画、AIによる危険予測・ドライバーモニタリング、3D測距によるADAS性能向上で、事故リスクを大幅に低減
  • 高性能ドローン: マルチステレオカメラによる360°リアルタイム3DマッピングとAI認識により、安全かつ長時間の運用が可能
  • AMR/ロボティクス: LiDAR代替/補完となる低コスト・高効率な3D AIビジョンによる自律移動・作業支援
  • インタラクティブ端末: キオスク端末等での(オプションの)高精度3Dジェスチャー認識による非接触UI、AIとGPUによる高度なUI/UX
                         ドローンでの使用例

iCatchとの戦略的パートナーシップ

Di1プラットフォームは、DMPの高度なAIおよび3D IP技術と、iCatchの実績あるSoC設計技術およびThetaEye AIイメージングプラットフォームを統合して共同開発されました。Di1はiCatchのV9製品ファミリーに組み込まれ、台湾および指定地域ではiCatchが販売および技術サポートを提供します。


DMP代表取締役会長兼社長CEO 山本達夫コメント

Di1は、エッジAIが直面する性能、消費電力、コストの壁を打ち破る、まさにゲームチェンジャーとなるSoCです。DMPが長年培ってきたAIおよび3D技術とiCatchの高性能ISP技術を結集することで、これまでにないレベルの統合と効率性を達成しました。特に、データセンターで学習された最新AIモデルをシームレスにエッジで最適に実行できる能力、そしてエッジAI SoCとしてFP4を先駆けてサポートした技術的先進性は、お客様のビジネスに大きな価値をもたらすと確信しています。Di1を通じて、世界のインテリジェント・エッジ市場をリードしてまいります。

販売開始時期

Di1は本日から顧客へのサンプル提供を始め、量産出荷は2026年3月期第4四半期に日本および台湾顧客向けに開始、その後順次全世界に向けて販売される予定です。

Computex Taipei 2025出展情報

展示会場:台北南港展覧館一館(Taipei Nangang Exhibition Center, Hall 1)
フロア:4階(Sky Dome Exhibition Hall, 4F)
ブース番号:N1002(Egisグループ内、iCatchブース)
期間:2025年5月20日~2025年5月23日
展示内容:
Di1(V9)システムの実機デモ:ドローン向けステレオ測距

■ 会社概要

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)

DMPは、GPUおよびAI分野における独自のコア技術を核に、顧客の製品競争力向上に貢献するIPライセンスおよびSoC・モジュール等の製品を提供する研究開発型企業です。詳細については、https://www.dmprof.com/ をご覧ください。

©2025 株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル DMP、DMPロゴは株式会社ディジタルメディアプロフェッショナルの登録商標です。その他記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。

iCatch Technology Inc.

iCatch Technologyは、イメージングおよびビデオ技術に特化したファブレス半導体企業であり、ドライブレコーダー、監視カメラ、ドローン、スマートホームデバイス等向けに高性能なイメージシグナルプロセッサ(ISP)およびSoCソリューションを提供しています。詳細については、https://www.icatchtek.com/ をご覧ください。

■ 本件に関するお問い合わせ先

株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル
テクノロジー製品事業部 
TEL:03-6454-0450
e-mail:info_06@dmprof.com
Webサイト: https://www.dmprof.com/jp/contact/

引用

プレスリリース・ニュースリリース...
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