Google DeepMindは、2025年3月12日で新たなオープンAIモデル「Gemma 3」を発表した。Gemmaシリーズはこれまで1億回以上のダウンロードと6万以上のバリエーションが作成されている人気モデルである。今回発表されたGemma 3は、単一のGPUまたはTPUで実行できる高性能かつ軽量なモデルとして、AI開発者の注目を集めている。
Gemma 3の最大の特徴は、小型ながら極めて高性能な点だ。Googleのテストによれば、Gemma 3は単一アクセラレーター環境で動作するモデルとしては世界トップクラスの性能を持ち、Llama3-405B、DeepSeek-V3、o3-miniなどの既存モデルを上回る評価を得ている。具体的には、画像や動画を含む視覚・言語処理能力を備えており、140言語以上に対応。また、128Kトークンという広大なコンテキストウインドウを持ち、複雑なタスク処理を可能にしている。

加えて、Gemma 3では機能呼び出し(function calling)によるタスクの自動化や、量子化モデルによる高速な処理が可能となっており、開発環境における利便性が大幅に向上した。また同時に発表された画像安全性チェックモデル「ShieldGemma 2」は、Gemma 3の基盤を活用し、危険なコンテンツ、暴力的表現、性的表現などの画像コンテンツの安全性を効率的に評価・管理できる仕組みとなっている。
開発者向けのツールやプラットフォームとの連携も充実しており、Hugging Face Transformers、JAX、PyTorch、Vertex AI、Google AI Edgeなどの既存ツールとシームレスに統合可能だ。また、Gemma 3はNVIDIA GPU、Google Cloud TPU、さらにはAMD GPU上でも最適化されているため、幅広いハードウェア環境でAI開発が加速されると期待される。
さらにGoogleは、研究コミュニティ向けに「Gemma 3 Academic Program」を開始し、Gemma 3を活用した研究を進める研究者に対して最大1万ドル相当のGoogle Cloudクレジットを提供するとしている。

GoogleはGemma 3を通じて、高品質なAI技術へのアクセスをより身近なものにするとしており、今後のAI市場におけるオープンモデルのさらなる普及が見込まれる。
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