本記事では、2025年2月に発表されたChatGPTのAIリサーチツール「DeepResearch」についてのの概要、主な特徴、そして利用方法について詳しく解説します。
DeepResearchとは?
DeepResearch(ディープリサーチ)とは、OpenAIがChatGPTに新たに導入した高度なリサーチ用エージェント機能です。
ユーザーが与えた質問や指示に対し、インターネット上から関連情報を自動で検索・収集・分析し、詳細かつ引用付きの回答を生成するよう設計されています。
従来のChatGPTが主に対話形式で知識を提供するのに対し、DeepResearchは複数のウェブソースを跨いだ継続的な調査を行う点が特徴です。
例として、ある専門的なトピックについて長時間かけて調べ上げレポートを書くような作業を、AIエージェントが代行します。
DeepResearchの主な特徴
自律型リサーチ
DeepResearchは与えられた課題に基づき、複数のウェブサイトを自律的かつ多段階にわたって巡回・検索します。
検索エンジンを使って関連情報を探し、リンクをクリックしてページを読み込み、必要に応じてスクロールして重要箇所を抽出します。この一連の操作をAIエージェントが人手を介さず実行し、ユーザーに代わって広範囲の情報収集を行うことが可能です。
ツール統合による分析
ユーザーが提供した画像やPDF、スプレッドシートなどのファイルも入力情報として解析することができ、さらに必要に応じてPythonコードの作成・実行まで行います。
引用付きレポート
DeepResearchが生成する回答は詳細なレポート形式となっており、内容を裏付ける出典(参照URL)が明示されています。
これによりユーザーは回答の根拠をすぐに検証・参照できるようになっています。
DeepResearchの料金体系
DeepResearchはChatGPTの追加機能として提供されており、利用するにはChatGPTの有料プランへ加入する必要があります。
またプランによってもそれぞれ以下のような利用回数の制限があります。
プラン | 月間利用可能回数 |
---|---|
Plus | 10回 |
Pro | 120回 |
Team・Enterprise・Edu | 10回 |
DeepResearchの利用方法
DeepResearchの利用手順は、ChatGPTの「詳細なリサーチ」を選択することで利用可能です。
※有料アカウントでログインしている必要があります。

今回は次のプロンプトを実行しました。
プロンプト:
ChatGPTでできることと料金を教えてください。
入力プロンプトが曖昧だったため、ChatGPT側から補足の質問があり、追加で以下のプロンプトを入力しました。
プロンプト:
ChatGPTの料金と利用できる機能一覧を調査して教えてください。
その結果、生成されたレポートのURLは以下の通りです。
結果:
ChatGPTの料金プランと利用可能な機能
OpenAIはChatGPTに無料プランと複数の有料プラン(Plus、Pro、Team、Enterpriseなど)を提供しています
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。プランごとに料金や利用可能なAIモデル(GPT-3.5、GPT-4など)、機能、利用制限が異なります。以下、各プランの料金体系・機能の違いや利用制限、使用できるAIモデルの違いについて最新の公式情報に基づきまとめます。
無料プラン(Free)
料金:月額$0(無料)
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。誰でも登録して利用できます
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。
使用できるモデル:基本モデルであるGPT-3.5相当のモデル(「GPT-4o mini」と表現)を無制限に利用可能
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。高度なGPT-4相当モデル(GPT-4o)も一部利用できますが非常に制限されています
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。※GPT-4(完全版)へのアクセスは無料プランでは基本的に提供されません
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。
機能:チャット履歴保存、ウェブ検索による最新情報の取得(リアルタイムデータ検索)など基本機能は利用可能です
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。ただし、高度な機能(ファイルアップロードによるデータ分析、コード実行、画像生成、音声モードなど)は限定的なアクセスのみとなります
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。例えば、画像をアップロードして解析したり、音声で対話する機能は無料ユーザでも試せますが、使用回数や継続時間に制約があります。
パフォーマンスと制限:無料ユーザは需要が高い時間帯には応答が遅くなったり、アクセスが制限される場合があります(一方で有料ユーザはピーク時でも優先されます)
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。モデルが一度に扱えるテキスト量(コンテキストウィンドウ)は約8,000トークンまでと短めです
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(約6,000~7,000文字程度に相当)。また、高度モデル(GPT-4相当)の利用回数には厳しい上限があります(Plusユーザの約1/5程度のメッセージ数に制限)
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。それ以外にGPT-3.5モデルでの通常のメッセージは基本的に無制限ですが、商用利用に関するサポートや保証はありません。
ChatGPT Plus(有料版)
料金:月額$20(約3,000円)
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で利用できる個人向け有料プランです。
使用できるモデル:GPT-3.5に加えて高度なGPT-4モデルが標準で利用可能になります
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。Plus加入者はGPT-4(特に高速版のGPT-4oモデル)を自由に選択して対話できます。
機能の強化:無料版のすべての機能が含まれるほか、以下のメリットがあります。
安定したアクセスと高速な応答:需要の高い時間帯でもチャットへのアクセスが保証され、無料版より応答速度が速いです
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。サーバ負荷時でもPlusユーザは優先的に処理されます
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。
GPT-4利用枠の拡大:GPT-4系モデルを使った対話のメッセージ上限が無料版より大幅に緩和されます。具体的には、Plusユーザは無料ユーザの約5倍のGPT-4oメッセージを送信可能です
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(※例えば2024年5月時点でGPT-4oは3時間あたり80件まで利用可能と案内されています
HELP.OPENAI.COM
)。これにより、複雑な質問でも継続してGPT-4に問い合わせやすくなります。
より長いコンテキスト:1回の対話で扱えるテキスト長が約32,000トークンまで拡大します
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。長文の文章や大きなファイルを与えても、一度に処理できる容量が増えるため、より文脈の長い指示や解析が可能です。
高度機能のフル利用:ファイルのアップロードによるデータ分析機能(旧「Code Interpreter」)、画像生成機能(DALL-E 3統合)、音声モードによる対話などが拡張された上限で利用できます
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。無料版では試験的・限定的だった機能も、Plusでは実用的な範囲まで使用可能です。例えば画像生成を何度も試したり、大きなデータファイルを読み込んで分析させることができます。さらに音声については標準音声に加え、高品質な音声やビデオ通話のような対話モードも利用できます
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。
優先的な新機能アクセス:OpenAIがリリースする新機能や実験的なツール(プラグインや「カスタムGPT」の作成機能など)にいち早くアクセスできます
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。Plusユーザは新モデルやベータ機能がローンチされた際に優先的に試用できるメリットがあります。
ChatGPT Pro(上位有料プラン)
料金:月額$200(約30,000円)
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。年額プランも提供されており、年間契約の場合は$2,400となります。
位置づけ:Plusのさらに上位に当たる最上級プランで、研究者や開発者などヘビーユース向けに用意されています
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。Plusプランの全機能に加え、モデル・使用量の面で最大限のアクセスが可能です。
使用できるモデル:GPT-4(GPT-4o)を実質無制限に利用できるほか、OpenAIの最新かつ最も高性能なモデル「OpenAI o1」(次世代のGPT-4.5相当)の研究プレビューバージョンにアクセスできます
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。Pro加入者はこの最先端モデルを使った対話が可能で、一般には未公開の最大級モデルを先行利用できます。さらに、OpenAI o1の計算資源強化版「o1プロ・モード」も利用可能で、特に難しい問題に対してより高精度な回答を得ることができます
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。
機能と制限:基本的にあらゆる制限が大幅に緩和または撤廃されています。GPT-4系モデルおよび高度機能の利用回数制限は事実上取り払われ、全ての高度機能が無制限または拡張上限で使用可能です
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。音声対話も無制限に近い形で使え、ビデオ・スクリーンシェアリングを伴う高度音声モードもPlusより高い上限で利用できます
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。コンテキストウィンドウは128Kトークンという極めて大きな長さが割り当てられ、非常に長大なテキストや複雑なドキュメントも一度に処理できます
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。総じて、ChatGPT Proは「可能な限り最高性能のChatGPT」を個人で使いたい場合のプランです。
ChatGPT Team(チーム向けプラン)
料金:月額$30/ユーザ(または年間契約で$25/月・ユーザ)
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。複数ユーザでの利用を想定したチーム用サブスクリプションです
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。
対象:中小規模のチームや部署でのChatGPT利用向け。複数アカウントを一括管理し、組織内で安全にAIを活用したい場合のプランです。
機能:基本的にはPlusプラン相当の機能を各ユーザが利用可能です
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。加えて、チーム利用に適した以下の特徴があります。
GPT-4利用枠の増加:TeamプランではPlusよりもGPT-4系モデルのメッセージ上限がさらに高く設定されています。公式には「Plusの約2倍のGPT-4o利用枠」があるとされています
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。したがって、より長時間にわたりGPT-4を活用した作業が可能です。
組織向けコラボ機能:管理コンソールからチームメンバーを一括管理でき、請求も統一請求となります
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。チーム内でチャット内容やプロジェクトを共有したり、独自に作成したカスタムGPT(特定タスクに特化したチャットボット)をメンバーと共有できます
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。これにより、ナレッジの共有やワークフローの標準化が図れます。
データプライバシー:Teamプランのユーザデータはデフォルトでモデルの再学習に使用されません
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。企業秘密や機密データを扱っても、OpenAI側で学習に利用されない設定になっており、プライバシーが強化されています。
利用可能モデル:Plusと同様にGPT-4が利用でき、複数の推論モデル(o3-mini、o3-mini-high、o1 など)も使用可能です
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。ただしChatGPT Proのみで提供される最先端モデル(o1プロ・モード等)はTeamプランには含まれません。コンテキスト長はPlus同様32Kトークンです
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。
ChatGPT Enterprise(エンタープライズ向け)
料金:要問い合わせ(従量・契約に応じた見積もり)
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。ユーザ数や利用規模に応じたエンタープライズ契約となります(非公開のカスタムプラン)。
対象:大規模な企業組織向け。全社レベルでChatGPTを業務に統合し、高いセキュリティとカスタマイズ性を求める場合のプランです。
特徴:EnterpriseプランではChatGPTの機能が最大限かつ企業仕様で提供されます。主な特徴は次のとおりです。
GPT-4の無制限利用と高速化:GPT-4の使用制限がすべて撤廃され、事実上無制限にGPT-4を利用できます
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。さらにモデル応答は他プランより高速で、処理性能が2倍に向上しています
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(Enterpriseは全プラン中最速のレスポンス
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)。
最大のコンテキスト長:128Kトークンという非常に大きなコンテキストウィンドウが付与されており
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、長大な社内文書や大量のデータを一度に投入して解析する、といった用途にも耐えられます。
最先端モデルへのアクセス:利用可能なモデルは基本的にChatGPT Proと同等で、GPT-4およびOpenAI o1系の高度モデルも利用できます。Enterpriseではo1プロ・モードも使用可能で
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、最も難しい問題に対しても高精度な回答を引き出すことができます。
高度な分析ツール:コード実行型のデータ分析(Advanced Data Analysis)も無制限に利用可能です
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。大規模データの処理や高度な分析もEnterpriseでは自由度高く行えます。
セキュリティとプライバシー:企業データの取り扱いに配慮した設計で、ユーザの入力や会話内容はモデル訓練に使用されません
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。すべての会話は転送中および保存時に暗号化され、ChatGPT Enterprise自体もSOC 2認証を取得するなど高度なコンプライアンスに準拠しています
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。また、データ保持期間のカスタム設定や、保存データの地域指定(EU内保存など)にも対応しています
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。
管理機能:大規模展開のための管理ツールが提供され、管理者コンソールからユーザの一括管理やドメイン単位のアクセス制御、利用状況の分析が可能です
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。シングルサインオン(SSO)やSCIMによるユーザプロビジョニング、ドメイン認証、組織全体でのGPT利用ポリシー設定など、企業IT環境との統合に必要な機能が備わっています
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。
サポートと導入支援:専任のカスタマーサクセスやテクニカルサポートによる強化サポートが付帯し、導入時のオンボーディング支援や継続的なアカウント管理サービスが受けられます
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。サービスレベルアグリーメント(SLA)など、企業利用に求められるサポート体制が整っています。
追加オプション:契約内容によっては、OpenAIのAPIクレジットが付与され、自社アプリケーションにOpenAIモデルを組み込む際の費用に充当できる場合もあります
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。
その他のプラン・オプション
上記の主要プラン以外にも、特定の用途や組織向けに次のようなプランや割引オプションがあります。
ChatGPT Edu(教育機関向け):大学など教育機関向けの特別プランです。比較的低価格で学生や教職員がキャンパス全体でChatGPTを利用できるよう設計されています
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。GPT-4を搭載し、高度な機能やセキュリティ設定、管理ツールを備えています(詳細は要問い合わせ)
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。
非営利団体向け割引:非営利組織を対象に、ChatGPT Teamプランを20%オフ、Enterpriseプランを50%オフで提供する割引プログラムがあります
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。適用にはOpenAIへの申請が必要です。
OpenAI APIの活用:これはChatGPTのプランとは異なりますが、独自アプリにGPT機能を組み込みたい企業向けには、ChatGPT Enterprise契約時にOpenAIのAPI利用クレジットが提供されるケースがあります
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。より柔軟にモデルを制御したい場合、APIプラットフォームを併用するオプションもあります。
使用できるAIモデルの違い(GPT-3.5とGPT-4など)
各プランで利用可能なAIモデルにも大きな違いがあります。無料プランではGPT-3.5系統のモデル(2021年までの知識を持つ従来モデル)を主に使用します。一方、有料プランではより高性能なGPT-4系統のモデルを利用できます
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。GPT-4はGPT-3.5に比べて高度な推論能力を持ち、複雑な質問への回答品質や創造的なタスクで優れています(OpenAIいわく「GPT-4は従来のシステムよりも高度で有用な応答を生成できる最先端モデル」です
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)。実際、GPT-4は難解な試験で高得点を取るなどGPT-3.5を大きく上回る性能を示しています。またGPT-4はマルチモーダル(画像解析や音声入力)にも対応し、長い文脈を保持した応答が可能です。ただし、GPT-4は計算コストが高いため利用上限や速度に制約があります
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。無料ユーザは基本的にGPT-4を直接指定できず(※2024年中頃より高速版GPT-4oの限定利用枠が無料開放されていますが、ごく少量の利用に限られます
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)、安定してGPT-4を使うにはPlus以上への加入が必要です。ChatGPT Plusでは標準的なGPT-4が使用可能となり、より高精度な回答や最新機能(例えば画像解析や高度なコード生成など)を享受できます。さらにChatGPT ProやEnterpriseでは、OpenAIの次世代モデル(コードネーム「o1」)も利用可能です
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。これはいわゆるGPT-4.5に相当する研究中のモデルで、現行GPT-4を上回る最大規模のAIモデルです。有料プランの階層が上がるほど、こうした最先端モデルへのアクセスや、モデルに割り当てられる計算リソース(プロ・モードによる追加計算など)が拡充されます
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。まとめると、無料版はGPT-3.5のみで基本機能に限定、PlusではGPT-4が解禁され様々な新機能・優先権が付与、Proでは最新モデルと事実上無制限の利用、Enterpriseでは企業向けの無制限利用と高度な管理/セキュリティが提供される形です。それぞれのニーズや利用量に合わせてプランを選択できます
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。Sources: 最新のOpenAI公式サイトの料金プランページ
OPENAI.COM
OPENAI.COM
や公式ブログ
OPENAI.COM
OPENAI.COM
より、各プランの価格と機能差、およびモデル利用制限に関する情報を参照しました。また、OpenAI Help Centerの記事
HELP.OPENAI.COM
HELP.OPENAI.COM
や公式発表
OPENAI.COM
からメッセージ数制限等の具体的な制約について引用しています。GPT-4とGPT-3.5の性能差についてはOpenAIのモデル紹介ページ
OPENAI.COM
を参照しました。各プランの詳細はOpenAI公式サイトの**「ChatGPTの料金プラン」**ページに最新情報が掲載されています
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。
無料プランからEnterpriseまで、ChatGPTの全料金プランを詳細にカバーしており、機能や制限、利用可能なモデルの違いを包括的に説明していますが、GPT-4.5やo3、Advanced Voiceなど主要な機能が触れられてない他、全体的にデータが古い点が気になります。
おわりに
OpenAIのDeepResearchを活用することで、ChatGPTが強力なリサーチアシスタントとして機能します。
複雑なテーマの調査も、DeepResearchを利用すれば数十分で広範な情報収集・整理が可能です。
ただし、情報の新旧判別が苦手な面もあるため、常に最新の情報が求められる分野での利用時は注意が必要です。