Microsoft 365 Copilot Wave 2: Pages、Python in Excel、Copilot エージェント

2024年9月19日

ジャレッドスパタロー (Jared Spataro)
AI at Work 担当コーポレートバイスプレジデント

※本ブログは、米国時間 9 月 16 日に公開された “Microsoft 365 Copilot Wave 2: Pages, Python in Excel, and agents” の抄訳を基に掲載しています。

マイクロソフトは、ウェブ・仕事・Pages を統合し、ナレッジワークのための新たなデザインシステムを実現する Microsoft 365 Copilot の新機能 (Wave 2) を発表しました。

まず、Copilot Pages は、複数人での AI を使ったコラボレーションのために設計された、動的で永続的なキャンバスであり、AI 時代における初の新たなデジタルアーティファクトです。

次に、Microsoft 365 アプリ内の Copilot の機能向上を進めています。お客様からは、Microsoft Teams の Copilot が会議を一変させた、というお声が寄せられています。実際、これはお客様が最も価値を見出しているポイントです。同様のことを、Microsoft Excel での高度なデータ分析、PowerPoint でのダイナミックなストーリーテリング、Outlook での受信トレイ管理などでも実現していきます。

さらに、Copilot エージェントを導入し、お客様に代わって、ビジネスプロセスを自動化し実行することがこれまで以上に簡単かつ迅速に行えるようにします。これにより、かつてないほどにチームのアウトプットを拡大できるようになります。

マイクロソフトは、これらのアップデートを世界中のお客様と共有できることを大変うれしく思っています。大企業から中小企業まで、お客様からの声により、Copilot の改善を日々支援していただいています。およそ 1,000 社のお客様から、Copilot の使用状況、最も大きな効果を得ている点、改善が必要な点などについてフィードバックをいただきました。そのフィードバックに基づいて、今年は 700 以上の製品アップデートを行い、150 以上の新機能をリリースしました。さらに、GPT-4o と強化されたオーケストレーションにより、パフォーマンスが劇的に向上しました。Copilot の応答は平均で 2 倍以上速くなり、お客様の応答時間に対する満足度はほぼ 3 倍に向上しました。¹ これらすべてを加味すれば、マイクロソフトは Copilot により世界最高の AI フィードバックループを構築したと言えます。今後も、当社は Copilot に最新モデルを迅速に導入し、お客様からのフィードバックに基づいて製品を迅速に改善し、高度な推論機能を備えた OpenAI o1 を含む新しい機能や新しいモデルを追加していきます。

Copilot Pages のご紹介 — AI 時代における初の新しいデジタルアーティファクト

Copilot は AI のための新しい UI です。すべては Business Chat (BizChat) から始まります。これは、ウェブデータ、業務データ、事業データなど、あらゆるデータを業務の流れの中で一元的に集約するハブです。BizChat は、すべての組織コンテンツを情報と洞察に富んだリッチなデータベースに変換し、パートナーのように Copilot とコラボレーションできるようにし、あらゆる成果物を再利用可能なビジネス資産に変えます。さらに、複数人での AI コラボレーションのために設計された、動的で永続的なキャンバスである Copilot Pages を発表します。これは、ナレッジワーク向けのマイクロソフトの新しいデザインシステムの第一歩です。

Pages は、AI によって生成された一時的なコンテンツを保存し、編集、追加、他のユーザーとの共有を可能にします。あなたとあなたのチームは、Copilot を使用してページ内で共同作業を行うことができます。全員の作業をリアルタイムで確認し、Copilot をパートナーのように反復的に使用しながら、データ、ファイル、ウェブからより多くのコンテンツを Pages に追加できます。これは多人数参加型かつ、人間対 AI・人間対人間が包含されたコラボレーションという、まったく新しいワークスタイルです。Microsoft 365 Copilot をご利用のお客様に向けて、本日より Pages の展開が開始され、2024 年 9 月後半に一般提供が開始される予定です。

今後数週間のうちに、Microsoft Entra アカウントでサインインすると無料の Microsoft Copilot を利用できる 4 億人以上のユーザーにも、Copilot Pages を提供します。これにより、ウェブグラウンディング、エンタープライズデータ保護 (EDP)、Pages の組み合わせが提供されます。現在、Microsoft.com/copilot から Microsoft Copilot を試すことができます。また、Microsoft 365 アプリの作業フローに Copilot を直接ピン留めすることもできます (これは、まもなく Outlook と Teams でも可能になります)。

Microsoft 365 Copilot で生産性を大幅に向上

世界中の何百万人もの人々にとって、仕事は Microsoft 365 のアプリ上で起きています。そこでは、すでに Copilot が日常的習慣となり、個人の生産性向上と時間の節約をもたらしています。そして、Wave 2 では、お客様から学んだことをすべて活かして、Copilot をさらに改善していきます。

Copilot in Excel

データを分析して、そこから真の価値を引き出そうとする場合、人々は Microsoft Excel に頼ります。Excel は、あらゆるビジネスデータのフロントエンドです。Copilot in Excel の一般提供開始を発表いたします。これにより、表形式にフォーマットされていないデータでも作業できるようになりました。Excel の機能を最大限に活用するために、XLOOKUP や SUMIF などの数式、条件付き書式、ニーズに合わせてチャートやピボットテーブルなどの視覚化を反復実行する機能などの新しいスキルを追加しました。そして、Copilot in Excel は、数値データに加えて、テキストデータにも対応できるようになりました。

さらに、一歩先を行く機能の提供があります。マイクロソフトは、世界で最も人気の高いデータ処理用プログラミング言語の 1 つである Python のパワーと Copilot in Excel を組み合わせた Copilot in Excel with Python を発表します。今や、誰でも Copilot を使って、予測、リスク分析、機械学習、複雑なデータの視覚化といった高度な分析を行うことができます。すべて自然言語を使用でき、コーディングは不要です。チームに経験豊富なデータアナリストを加えるようなものです。Copilot in Excel with Python は現在パブリックプレビュー中です。

Copilot in PowerPoint

誰もが、1 つのプロンプトから洗練されたプレゼンテーションを一度で完成できるわけではありません。一般提供を開始した Microsoft PowerPoint の Narrative builder は、Copilot をパートナーのように連携して、共同作業を繰り返しながら、数分で最初のドラフトを作成できます。また、クリエイティブなプロセスをコントロールしながら作業を進めることができます。Copilot は、プロンプトに基づき、編集、修正してプレゼンテーションの最初のドラフトを作成できるトピックを含むアウトラインを構築してくれます。近日中に、トピックを裏付けるためにアウトラインにファイルも追加できるようになります。また、Brand manager 機能により、Copilot はブランドテンプレートを活用できるため、プレゼンテーションを企業向けでかつブランドに適したものにできます。また今後、Copilot はSharePoint の組織アセットライブラリから承認済みの画像を収集できるようになります。

Copilot in Teams

現在の会議では、重要な会話が 2 つあります。1 つは口頭で交わされる会話、もう 1 つはチャットで行われる会話です。Copilot in Teams は、会議の議事録と会議チャットの両方を考慮して、話し合われた内容の全体像を把握できるようにしてくれます。たとえば、会議中に聞き逃した質問がないかを Copilot に尋ねると、発言内容とチャットに入力された内容を迅速にスキャンし、回答されていない質問がないかを確認してくれます。Copilot in Teams により、どんな質問、アイデア、貢献も見逃されることはありません。この機能は 2024 年 9 月に一般提供開始されます。

Copilot in Outlook

私たちは皆、過剰なメールに悩まされています。Copilot in Outlook では、受信トレイの Prioritize 機能により、電子メールの内容と自身の職務 (誰に報告するか、どのメールスレッドに返信するかなど) の両方を基に受信トレイを分析し、重要なメッセージにすばやくアクセスできるようになりました。もう長いメッセージに目を通す必要はありません。Copilot は各メールの簡潔な要約とメッセージを優先した理由、重要な洞察を自動的に作成します。さらに、重要な特定のトピック、キーワード、人物を Copilot に教えることができるようになり、それらのメールに確実に高い優先度が付けられるようになります。これらの機能は、2024 年後半からパブリックプレビュー版として提供されます。

Copilot in Word

Microsoft Word で作業中に、他の文書やアプリからコンテンツを取り込む必要が生じることがよくあります。しかし、必要な情報を探し、取り入れることは時間を要し、執筆作業の妨げになることもあります。2024 年 9 月後半にリリース予定の Copilot in Word は、ウェブデータや Word、PowerPoint、PDF、暗号化された文書などの業務データに加えて、電子メールや会議データもすばやく参照できるようにしてくれます。そして、これらの情報を作業の流れに直接統合してくれるので、良質なドラフトを迅速に作成できるようになります。マイクロソフトは、Copilot in Word をさらに優れた執筆パートナーとなるように改善しました。最近のアップデートでは、キャンバス上の新しいスタート体験、そして、クリエイティブなプロセスをすぐに開始できるようにするためのプロンプトの提案、ドキュメントの特定のセクションで作業中に、Copilot とインラインで共同作業を行う機能が含まれています。これらの機能はいずれも一般提供されています。

Copilot in OneDrive

Microsoft OneDrive は、プロフェッショナルが個人的な作業内容を保存する機能豊富なリポジトリです。しかし、私たちは皆、適切な文書を見つけたり、必要な内容が含まれている文書がどれなのかを思い出したりするのに、あまりにも多くの時間を費やしています。Copilot in OneDrive は、すべてのファイルを迅速に分析し、必要な情報を検索してくれます。ファイルを開くことなく、最大 5 つのファイルの詳細と差異を明確かつ読みやすい要約で表示し、洞察の獲得、要約、比較を容易にしてくれます。Copilot in OneDrive は現在展開中であり、2024 年 9 月末までに一般提供開始される予定です。

Copilot エージェントによりチームコレボレーションをかつてないレベルで拡大

Copilot によってあらゆるビジネスプロセスを加速し、収益を増加し、コストを削減することは、AI 時代に競争優位性を獲得する最善の方法です。本日、Copilot エージェントの一般提供開始を発表します。エージェントは、ビジネスプロセスを自動化および実行するように設計された AI アシスタントであり、人間と協力し、人間のために作業を行います。 エージェントは、単純なプロンプトに応答するだけのものから、反復的な作業を代行するもの、より高度な完全自律型のものまで、多岐にわたります。そして、Copilot エージェントでは、エージェントの能力を業務フローに直接取り入れることで、これらすべて、さらにはそれ以上のことを行うことができます。Copilot エージェントは、バックグラウンドであなたの代理として動作し、Copilot によって完全に管理、調停されます。シンプルで安全に管理できるすべての Copilot エージェントは、Responsible AI と EDP の公約に従っています。すなわち、お客様のすべてのデータは、Microsoft 365 の信頼の境界を離れることはなく、お客様のテナント内で処理されます。また、AI 生成の画像やデザインの (そしてまもなく動画の) 作成を支援する新しい Visual クリエイターエージェントといった、構築済みのエージェントを活用することもできます。

Copilot エージェントをさらに容易に構築できるように、本日、Copilot Studio に基づくシンプルな体験である agent builder を発表いたします。

Agent builder により、誰でも容易に BizChat や SharePoint 内で Copilot エージェントを作成し、SharePoint ファイルに保存されている膨大なリポジトリの価値を引き出すことができるようになります。たとえば、BizChat での作業中に、agent builder を起動してエージェントを構築し、それを SharePoint に迅速に接続して、関連するビジネスプロセスデータで強化することを想像してみてください。瞬く間に、Teams や Outlook 上のメンバーと共有できる強力な知識リソースを手に入れることができます。他のチームメンバーと同様に、エージェントを @ を使ってメンションして、新しい情報を共有し、質問することができます。エージェントはこれに対してリアルタイムで回答します。さらに高度なエージェントを構築したい場合は、Copilot Studio でさらにカスタマイズし、データソースへの接続やユーザーに代わったアクション実行などのために展開できます。

BizChat の Copilot エージェントと agent builder は、今後数週間内に、すべてのお客様に向けて一般公開される予定です。SharePoint 向けの Copilot エージェントと agent builder は、10 月初旬にプレビュー版が公開される予定です。

Copilot の価値を実感されているお客様

この 18 カ月間、世界中の人々が Copilot を日常的に使用するようになり、タスクの迅速な完了、より目的意識の高いミーティング、より効果的なコラボレーション、ビジネスプロセスの合理化に役立てています。Copilot のお客様の数は前四半期比で 60% 以上増加し、職場で毎日 Copilot を利用するユーザーの数は倍増しました。本日、Vodafone が 6 万 8000 人の従業員を対象に Copilot を採用したことを発表しました。Amgen は、Copilot を利用して希少疾患の研究を加速しています。Teladoc のカスタマーサービスエージェントは、Copilot を使用して、顧客からのよくある質問に対する回答のドラフトを作成することで、毎週最大 5 時間節約しています。 Finastra のマーケティング担当者は、コンテンツのアイデア出しから制作までを 75% 高速化するために Copilot を活用しています。Honeywell の Copilot ユーザーは、Microsoft 365 Copilot を使用することで、平均して週あたり 92 分の時間を節約しました。²これは、1 年間で 74 時間に相当します。