RAG技術を応用、社内ナレッジを学習して情報検索時間を1/3に
株式会社THA(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:西山朝子)は、社長と従業員の距離を近づけ、従業員の自走を目指した最先端AIサービス「AI社長」をリリースしました。外部のデータベースを参照して生成AIが回答を生成する仕組み「RAG」を応用し、社長の知識や性格、社内ナレッジなどを踏まえた回答ができるサービスです。
◆背景|求められる組織の自走
生成AI技術への関心が高まるなか、「現場での活用が難しい」という課題が顕在化しています。2023年にGMOリサーチが行った調査では、生成AIを業務で利用した経験がある人はわずか10.7%にとどまり、ChatGPTが登場してから1年以上が経過した現在も、その活用が広がっているとは言い難い状況です。
さらに、ビジネスパーソンが日々の業務で情報を検索するのに要する時間も大きな課題となっています。Helpfeelによる調査によれば、社内情報を検索するためにビジネスパーソンが費やす時間は1日平均1時間5分で、約20%の人が1時間半以上、5.3%の人が4時間30分以上を費やしていることが明らかになっています。
この背景から、生成AIが情報検索の時間を大幅に削減する手段として期待されていますが、ChatGPTのようなAIは現在、社内ドキュメントを参照しての回答生成が難しく、情報検索ツールとして十分機能していないという問題があります。
また、経営者は限られた業務時間の中で戦略の策定、チームメンバーや外部ステークホルダーとのコミュニケーション、社内文化の醸成などさまざまな重要な決定を下す必要がありますが、非定型業務が多いために業務の効率化が進まず、組織の自走に至っていないケースも多く見られます。
このような状況を解決するために、当社は2023年8月に、生成AI技術と社内ナレッジを融合させた、「AI社長」を開発しました。このサービスは情報検索時間を大幅に短縮し、利用企業から大きな反響を得ています。この成功を受けて、2024年3月19日には「AI社長」を正式にリリースする運びとなりました。社内ナレッジを「AI社長」に詰め込むことで、自走する組織づくりをサポートします。
◆「AI社長」とは|「自走する組織」のためのAI
「AI社長」は、社長への従業員の依存状態を解消し、「自走する組織」を目指したAIです。経営層の深い業務知識、価値観、そして社内の広範な情報を取り込み、AIに組み込むことで、従業員が日々直面する業務上の問題解決をサポートします。
【「AI社長」の特徴】
- カスタマイズ性: 生成AIを利用して、企業固有のニーズに合わせてカスタマイズが可能です。これにより、各企業の特定の業務プロセスや情報構造に合わせたパーソナライズされた体験が実現します。高度なセキュリティ: 高度なセキュリティを備えた環境で運用されるため、機密情報の取り扱いも安全です。ユーザーは信頼性の高い環境でAIを活用し、リスクを最小限に抑えることができます。統合性: LINEやSlackなどの既存のコミュニケーションツールに組み込むことができるため、従業員は新しいツールに慣れる必要なく、すぐにAIを活用し始めることができます。これにより、導入の障壁が低減され、迅速な導入と効率化が実現します。可視化機能: 利用状況を確認できるレポート機能を備えています。これにより、管理者はAIの利用状況を把握し、さらなる改善や最適化のためのデータを得ることができます。
【「AI社長」のメリット】
- 情報検索時間の大幅削減:「AI社長」は、必要な情報や知識を瞬時に提供することで、従業員の問題解決スピードを大幅に向上させます。この即時性は、競争の激しい市場での迅速な意思決定を可能にし、ビジネスチャンスの最大化を促進します。人材育成の加速:経営者の思考やノウハウ、貴重な社内情報が「AI社長」を通じて共有されることで、従業員のスキルセットの充実と自律性の向上が図られます。これにより、組織全体の成長速度が加速し、市場変化への適応力が高まります。組織文化の強化:「AI社長」は、経営層の価値観やビジョンを組織全体に共有し、一体感のある企業文化の醸成をサポートします。共通の目標に向かって進むことで、社員間の連帯感が深まり、組織としての協働力が強化されます。
【AI社長の会話画面例(LINE版)】
◆導入企業様からの声
A社(リフォーム業、従業員数20人)
従業員の日常問い合わせが多く、戦略策定やステークホルダーとの関係構築に割くべき時間が失われていました。『AI社長』導入後、従業員は自力で迅速・正確な回答を得られるようになり、私への問い合わせが90%減少。これにより、戦略策定への集中と従業員との質の高いコミュニケーションが可能になり、会社の明確な方向性と従業員のモチベーション向上を実現しました。
B社(飲食業、従業員数300人)
『AI社長』の導入により、メニュー開発や顧客対応の指針を含む社長の知識が社内で共有されるようになりました。また、従業員が自ら『AI社長』に問い合わせることで解決策を見つけ出すことが増え、業務の自律性が向上。全体としての業務効率が25%向上しました。
◆「AI社長の技術」
当社が開発した「AI社長」は、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を駆使しています。従来の生成AIが持つ知識の限界を打破し、外部のデータベースや社内文書から情報を検索・統合することで、より正確で有用な回答を生成することが可能です。
RAG技術は大きく2つのプロセスに分かれます。まず、検索モジュールが関連情報を広範囲から収集し、次に生成モジュールがこの情報を基に回答を構築します。この一連のプロセスにより、「AI社長」は従業員からの質問に対して、社長の視点と知識、企業文化、そして具体的な社内情報を反映した適切な回答を提供できます。
◆代表取締役社長 西山朝子 コメント
株式会社THAでは、「AI社長」を通じて、業界や規模を問わず、あらゆる企業のAI活用を推進し、日本の生産性向上に寄与したいと考えています。
「AI社長」はただのツールではありません。それは従業員一人ひとりが自ら考え、創意工夫する力を引き出し、経営者がより大胆で戦略的な意思決定を行うための伴走者です。「AI社長」によって、各企業はまだ見ぬ潜在能力を引き出し、未来への大きなステップを踏み出すことができると信じています。今後も、企業経営の課題の本質をさらに見つめ、さらなる機能拡充を目指してまいります。
◆株式会社THAについて
株式会社THAは、「日本を支える勇者たちに最強の強化魔法を」というビジョンのもと、AI技術を中心に各種IT・クリエイティブ技術を提供し、企業の業績向上をサポートする会社です。2023年8月のサービス提供開始から得られた貴重なフィードバックを基に、今後もサービスの改善と拡張を続け、企業の持続可能な成長を支援します。
お問い合わせ先
株式会社THA 広報部
Email: info@tha-inc.com
https://tha-inc.com/
サービスの詳細や利用を検討されている企業は、上記の連絡先までお問い合わせください。
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