OpenAI「GPT-5.1」公開 速さと深さを両立

OpenAIは13日、対話型AI「ChatGPT」の中核モデルをGPT-5から「GPT-5.1」へアップグレードしたと発表した。新モデルは高速応答の「GPT-5.1 Instant」と高度な推論に特化した「GPT-5.1 Thinking」の2系統で構成され、知性だけでなく会話の自然さを重視したアップデートとなる。

背景には、8月公開のGPT-5に対し「賢いが冷たい」「指示追従が不安定」といった声が寄せられていたことがある。OpenAIはこうしたフィードバックを踏まえ、会話スタイルと推論エンジンの両面を見直し、同一アーキテクチャ上で性格の異なる2モデルを投入した。

GPT-5.1 Instantは、従来の汎用チャットモデルを置き換える位置づけで、レスポンスの速さを維持しつつ、指示解釈と出力の一貫性を強化。会話トーンも複数のプリセットから選択でき、ユーザーや企業ごとに“人格”を調整しやすくなった。一方のGPT-5.1 Thinkingは、質問内容に応じて思考時間を自動調整し、複雑なタスクでは段階的に推論を深める仕組みを採用している。

とくにGPT-5.1 Thinkingは、質問の難易度に応じて内部の思考時間を自動調整する点が特徴だ。簡単なタスクでは生成トークン数を大きく削減し、高難度タスクでは最大で約70%増やすことで、簡単な質問には従来Thinkingの約2倍速く、難しい質問には約2倍時間をかけて回答する設計になっている。また専門用語を減らし、技術解説でも読みやすさを重視した。

提供はChatGPTの有料プラン(Pro/Plus/Go/Business)から順次開始され、その後無料ユーザーにも拡大される見込み。企業向けにはMicrosoftの「Copilot Studio」などに実験的モデルとして提供が始まっている。

引用

GPT-5.1: A smarter, more conversational ChatGPT | OpenAI

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