概要
Model Context Protocol(MCP:AIと外部システムをつなぐ標準プロトコル)に対応した「Kintone MCPサーバー」は、サイボウズ(Cybozu)が提供する公式のローカルMCPサーバーです。
Claude DesktopなどのMCP対応ツールと組み合わせることで、生成AIからKintone(業務アプリ基盤)を操作できます。
2025年9月に「Kintone MCP Server Release Announcement」が公開され、レコード取得・追加などの操作に対応しました。
MCP自体はオープンな標準で、AIクライアントと外部ツールの安全な双方向連携を目指します。
主な特徴と機能
・豊富なツール群(Cybozu公式MCP):アプリ情報取得、フォーム設定の取得/更新、レコードの取得・追加・更新・削除、ステータス更新、一般設定変更、アプリ作成・デプロイ、添付ファイルのダウンロード等を備えます(kintone/mcp-server)。
・制限事項:ゲストスペース非対応、レコード登録/更新時に添付ファイルフィールドは指定不可、ユーザー/組織/グループ選択は候補設定時のみ登録可能。
Kintone MCP Serverの利用開始手順
今回はClaudeから使う方法を試してみます。
Claude Desktopからの利用開始手順
1.GitHubのkintone/mcp-serverリリースからkintone-mcp-server.dxtを入手し、Claude Desktopの「拡張機能」にドラッグアンドドロップします。

2.設定ダイアログに以下を入力。
Base URL:https://<tenant>.cybozu.com
Username:<your_user>
Password:<your_pass>

3.「Kintone MCP Server」を有効にします。

これで準備完了です。
動作確認
アプリ作成〜デプロイ
最初にアプリを作成します。
プロンプト:
“交通費精算”というアプリを動作テスト環境に新規作成し、“日付/区間/金額/備考”の4フィールドを追加、レイアウトを整えて運用へ反映してください
承認が求められるので「許可」または「常に許可」を選択してください。

処理が完了すると、kintone上でアプリが作成されます。

レコードの読み書き
次に先ほど作成したアプリにレコードを追加してみます。
プロンプト:
先ほど作成したアプリにサンプルデータを追加してください
以下のようにアプリにレコードが追加されました。
結果:

またアプリのデータをチャットで読み込むこともできます。
プロンプト:
アプリID:82「交通費精算」アプリのレコード情報を取得してください
結果:

おわりに
今回の検証では、Kintone MCP Serverを用いて、Claude Desktopから「アプリ作成 → レイアウト編集 → デプロイ → レコードの追加・更新・取得」という一連の流れを実行しました。
フォーム設計の試行やデータ投入が会話ベースで一気に進み、Kintoneの日常運用がぐっと軽くなる手応えがあります。
あわせて、最小権限・検証環境・差分確認(表示→確認→実行)といった運用ガードを組み込むことで、現場導入の安全性も確保しやすいと感じました。
今後は、プロセス管理のステータス運用や添付ファイルの扱い、ER図化による設計ドキュメント整備、さらに他クライアント(Cursor/ChatGPTのリモートMCP経由など)の連携検証まで掘り下げて記事化できればと思います。