GitHub Copilot に新機能が追加されました。タスクやIssueの内容をもとに実装できるコーディングエージェントで、GitHub Actionsを使ってバックグラウンドで実行し、その作業をプルリクエストとして提出します。
GitHub Copilot に、新しいコーディングエージェントが加わりました。GitHub に直接組み込まれており、GitHub IssueをCopilot に割り当てるとエージェントの作業が始まります。エージェントはGitHub Actions上に安全でカスタマイズ可能な開発環境を自動構築し、作業内容をドラフトプルリクエストへコミットとして随時プッシュします。進捗はエージェントセッションログで随時確認できます。
ブランチ保護など既存のセキュリティポリシーはそのまま適用され、CI/CDの実行前には必ず人間がプルリクエストを承認する仕組みになっているため、ビルド/デプロイ環境にも追加の安全策が施されます。
このエージェントは、機能追加・バグ修正・テスト拡充・リファクタリング・ドキュメント改善など、十分にテストされたコードベースでの低〜中程度の複雑さのタスクを得意とします。新しいコーディングエージェントにより、GitHub Copilotは開発者同士が協働する場であるGitHubの中で完結して動くようになりました。時間のかかる単調な作業はGitHub Copilotに任せ、プルリクエストやCI/CD、既存ツールチェーンはそのまま活用しながら、あなたはより創造的な仕事に集中できます。
詳細な使い方
新しいコーディングエージェントを使うには、GitHub IssueにCopilotを割り当てます。チームメンバーや自分自身にissueを割り当てるのと同じように、github.com、GitHub Mobile、またはGitHub CLI上からissueを割り当てることができます。また、GitHub Copilot Chatからプルリクエストを開くようCopilotに対して以下のように依頼することもできます:
> @github Open a pull request to refactor this query generator into its own class
Issueを割り当てると、エージェントは 👀の絵文字リアクションを追加し、バックグラウンドで作業を開始し、GitHub Actionsを使って仮想マシンを起動し、リポジトリをクローンし、環境を設定し、GitHubコード検索による高度な検索拡張生成 (RAG) でコードベースを分析します。エージェントが作業している間、gitコミットとしてドラフトプルリクエストに定期的に変更をプッシュし、プルリクエストの説明文を更新します。その過程で、エージェントの推論と検証のステップをセッションログで随時見ることができ、意思決定の経緯や問題の発見が容易になります。
Model Context Protocol (MCP) を使えば、コーディングエージェントはGitHubの外部にあるデータや機能にもアクセスが可能になります。MCP サーバーはリポジトリにて設定できます。もちろん、GitHubのデータはすべて公式のGitHub MCPサーバーから取得できます。また、エージェントはテキストだけにとどまらず、視覚モデルも統合済みで、Issue に添付したバグのスクリーンショットやモックアップ画像も解析できます。
Copilotが作業を終えると、あなたをレビュアーとして登録します。修正依頼のコメントを自動的に拾い、改めてコード変更を提案します。エージェントはまた、関連 Issueやプルリクエストの議論やリポジトリのカスタム命令も読み込み、タスクの意図とプロジェクトのコーディング規約を両立させます。

Copilot コーディングエージェントにより、開発者は自分専用のエージェントチームを並列稼働させ、作業を増幅できます。これまで深く複雑な開発を阻んでいた付帯タスクをエージェントに任せることで、開発者は価値の高いコーディング作業に集中できるようになりました。
EY社 DevExリード James Zabinski氏
統合され、調整可能で安全なエージェント
すべてのソフトウェアエンジニアエージェントは計算環境が必要です。私たちがProject Padawan*1でクラウド計算基盤に選んだのは当然GitHub Actionsでした。GitHub Actionsは2018年に発表され、今では世界最大のCI/CDエコシステムとなっており、GitHub Marketplaceに25,000 以上のアクションが登録され、平日1日あたり4,000 万個以上のジョブが実行されています。オープンソースプロジェクト、スタートアップから大企業まで、ビルド、テスト、デプロイのワークロードを実行するためにGitHub Actionsを利用しています。
GitHub Copilotのコーディングエージェントは、プロジェクトのセキュリティを最優先にするよう設計されており、本番環境に入る前に必ずレビューを受ける仕組みになっています。デフォルトで適用されるポリシーは次のとおりです:
- エージェントが push できるのは、自身が作成したブランチのみ。デフォルトブランチやチームが管理するブランチは安全に保護されます。
- プルリクエストを開くようエージェントに依頼した開発者は、その PR を承認できません。リポジトリで設定している「必須レビュー」ルールが確実に守られます。
- エージェントのインターネットアクセスは、カスタマイズ可能なアクセス先リストに制限されます。
- GitHub Actions のワークフローは、あなたの承認なしには実行されません。これにより、エージェントが生成したコードを事前に確認できます。
既存のリポジトリルールセットや組織ポリシーもすべて適用されます。

GitHub Copilot のコーディングエージェントは、私たちのワークフローに無理なく溶け込み、仕様書を数分で本番コードへ変換してくれます。開発速度が上がり、チームはより創造的な作業に集中できるようになりました。
Carvana社 Engineering and Analytics, Senior Vice President, Alex Devkar氏
今すぐ始めよう
対象プラン: すべてのGitHub Copilot Enterprise / GitHub Copilot Pro+契約者に提供されます。
使いたいリポジトリでエージェントを有効化することで使い始めることができます。GitHub Copilot Enterprise の場合は管理者によるポリシー有効化も必要です。さらに、Xcode、Eclipse、JetBrains IDE、Visual Studioといったより多くのIDEでエージェントモードを有効にできるようになりました。
2025年6月4日以降、GitHub Copilotコーディングエージェントは、エージェントが行うモデルリクエストごとに1つのプレミアムリクエストを使用します。
コード補完、Next Edit提案(次の編集提案)、チャット、エージェントモード、そして今回のコーディングエージェント――GitHub Copilot の目的は常に同じです。
あなたを“魔法にかかったようなフロー状態”に保つこと。
面倒な作業を肩代わりし、あなたが本当にやりたいことに時間を使えるようにすること。
そして、あなたをこの業界へ導いた時に初めて感じた心のときめきを、もう一度灯すことです。
Happy coding!
GitHub Copilotコーディングエージェントの使い方はこちらのドキュメント(英語)をご参照ください。
*1:2月に発表した際の本機能のコードネーム。詳細はブログ参照
引用
