概要
RakutenAIは、楽天グループ株式会社が2024年10月31日に楽天モバイルユーザー向けに「Rakuten Link AI」としてリリースし、2025年7月30日に楽天グループ全体で「Rakuten AI」として本格展開を開始した日本語特化型の生成AIサービスです。
OpenAIとの戦略的提携(2023年11月14日発表)により開発され、楽天の多様なグループサービスと連携する独自のエコシステム統合が最大の特徴となっています。
楽天グループは2024年12月18日に独自開発のRakutenAI 2.0シリーズを発表。日本初となるMixture of Experts(MoE)アーキテクチャを採用し、従来の大規模言語モデルと比較して計算効率を4分の1に削減しながら、日本語処理性能を大幅に向上させることに成功しました。
主な特徴と機能
RakutenAIの最大の差別化要因は、楽天エコシステムとの深い統合です。楽天市場、楽天トラベル、楽天ブックスなど楽天の多様なグループサービスと連携し、ユーザーの購買履歴や行動データを活用したパーソナライズされた回答を提供します。
主要機能として、テキスト生成、音声入力対応、画像認識、PDF解析、コード生成支援、翻訳機能を搭載。特に「AIフレンズ」機能では、ショッピング、旅行、ライフスタイルなど専門分野別のAIエージェントが連携して複合的な要求に対応します。
提供形態・料金
サービス | 対象 | 料金 | 上限・制限 | 補足 |
---|---|---|---|---|
Rakuten Link AI | 楽天モバイル契約者 | 無料 | 1日50クエリ/1回500文字 | 契約者は無料で利用可能 |
Webアプリ(ベータ版) | 楽天ID保有者 | 無料 | 楽天IDでログイン時は制限なし(IDなしの場合は上限あり) | ベータ版Webアプリとして提供 |
Rakuten AI for Business | 法人 | 1,100円/ライセンス/月(税込) | 月10万文字まで。超過は1,000文字ごとに11円 | 1ライセンスあたりの基本枠は10万文字/月 |
RakutenAIの実際の利用方法
RakutenAIはいくつか利用方法がありますが、今回は楽天IDがあれば誰でも利用できるWebアプリ版を利用します。
Webアプリ版の使い方
アクセス方法
1.ブラウザで https://ai.rakuten.co.jp/ にアクセス

2.楽天IDでログイン(未ログインでも制限付き利用可能)

3.サイドバーから機能を選択(チャット、深度検索、音声モード等)

実際の使い方
チャット画面での質問・指示
テキストボックスに質問を入力し、「▷」ボタンを押すと、数秒で回答が返ってきます。
今回は次のプロンプトを使用します。
プロンプト:
RakutenAIについて教えて下さい
出力結果:

ショッピング支援
「5000円以内でプレゼントに適したワイングラスを探して」という質問に対し、RakutenAIは楽天市場の商品データから予算内の商品を抽出。ギフトラッピング対応の有無やレビュー評価を考慮した推薦リストを作成してくれました。
プロンプト:
RakutenAIについて教えて下さい
出力結果:

画像生成
RakutenAIでは画像生成AIを利用することもできます。
プロンプト:
静かな日本式禅庭園の風景画を生成してください。
出力結果:

すると、出力結果として白砂に描かれた波紋、苔むした石、整然と枝を広げる松の木、そして背景の深い緑に囲まれた橋を備えた、落ち着きと調和のある禅庭園が描かれました。
おわりに
RakutenAIは単なるチャットボットではなく、楽天の膨大なエコシステムと連携した総合的なAIアシスタントとして機能しています。特に楽天サービスを日常的に利用するユーザーにとっては、購買履歴や行動データを活用したパーソナライズされた提案が大きな価値となるでしょう。
現在楽天のIDがあれば無料で利用できるので、まずは気軽に試してみることをおすすめします