日本初の日本語対応動画生成AI基盤モデル「AIdeaLab VideoJP」とは?

目次

AIdeaLab VideoJPとは?

AIdeaLab VideoJPは株式会社AIdeaLabが2025年1月に発表した動画生成AI基盤モデルです。
事前に権利処理を行った学習データを用いることで、透明性と安全性を確保しつつ、商用利用が可能な形で無償公開された点が大きな特徴となっています。
AIdeaLab VideoJPの開発は、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の推進する「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」プロジェクトの成果をもとに進められました。

AIdeaLab VideoJPの主な特徴と機能

日本語と英語の入力に対応

生成AIは英語圏を中心に開発が進んできた経緯があるため、日本語で自然に扱えるサービスはまだ数が限られています。AIdeaLab VideoJPは日本語と英語の両方のテキスト入力に対応し、国内クリエイターが使いやすいインターフェースを提供します。

フルスクラッチで学習

著作権処理のされていない画像や動画を二次利用するリスクを避けるため、許諾を得た学習データのみを活用し、0から学習を行いました。二次利用や権利の衝突などの問題を回避しやすいアプローチをとっています。

Apache-2.0ライセンス

商用利用可能なオープンソースライセンスの一つであるApache-2.0を採用。企業や個人プロジェクトでの導入も安心で、法的リスクを抑えながら幅広く展開できます。

ローカル環境でも動作する高速推論

動画生成モデルは高い演算処理能力を要するのが常識でしたが、AIdeaLab VideoJPでは最先端の最適化技術により、ご家庭のPCや一般的なワークステーションでも動作可能な推論速度を実現。クラウド環境と比較してコストを抑えやすい点も魅力です。

AIdeaLab VideoJPの使い方

AIdeaLab VideoJPはHugging Faceにモデルが公開されており、誰でもダウンロードして利用することができます。

aidealab/AIdeaLab-VideoJP · Hugging Face

また設定されたプロンプトだけですが、Webからデモを試すことが出来ます。

https://huggingface.co/spaces/aidealab/AIdeaLab-VideoJP

以下にデモで作成した動画を紹介します。

プロンプト:

チューリップや菜の花、色とりどりの花が果てしなく続く畑を埋め尽くし、まるでパッチワークのようにカラフルに彩る。朝の柔らかな光が花びらを透かし、淡いグラデーションが映える。風に揺れる花々をスローモーションで捉え、花びらが優雅に舞う姿を映画のような演出で撮影。背景には遠くに連なる山並みや青い空、浮かぶ白い雲が立体感を引き立てる。

プロンプト:

遠くまで広がる青い海が、波打ち際で白く砕ける飛沫を上げる。視点はドローン撮影のように、上空から浜辺とサンゴ礁を一望する。柔らかな南国の陽光が海面に反射して宝石のように輝き、うっすらと海底のカラフルなサンゴが見える。

プロンプト:

静かな森の中を、やわらかな朝陽が差し込む。木漏れ日に照らされた小川には小さな魚が泳ぎ、森の奥からは小鳥のさえずりが聞こえる。少し幻想的な雰囲気を持ちながらも穏やかな情景を映し出す動画。

おわりに

今回ご紹介した国産動画生成AI「AIdeaLab VideoJP」は、他社の同種AIに比べてクオリティ面で課題はあるものの、日本語・英語に対応し、権利処理を終えた安全な学習データを使用するといった大きな強みがあります。
オープンソースとして無償で公開されているため、ビジネスから個人の創作まで多彩な活用が見込まれます。
さらに、ローカル環境での高速推論が可能な点は、動画生成の敷居を大きく下げると言えるでしょう。

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この記事を書いた人

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