OpenAIの「Operator」など、AIエージェントが次々と登場し注目を集めています。
今回はその中でも、ブラウザ操作の自動化に特化したオープンソースプロジェクトである「OpenOperator」について紹介します。
Open Operatorの概要
Open Operatorは、AIエージェントが自然言語で指示を受け取り、ヘッドレスブラウザ上での自動操作を実現するためのオープンソースフレームワークです。
プロジェクトは、Browserbaseのインフラストラクチャを活用し、ユーザーの意図を解析して具体的なウェブ操作に変換することを目的としています。
GitHub上では、MITライセンスのもと公開され、誰でも自由に利用・改変が可能な点が特徴です。
OpenOperatorの主な特徴と機能
1. ヘッドレスブラウザの自動化
Browserbaseが提供する高性能なヘッドレスブラウザ環境を活用することで、数多くのブラウザインスタンスを迅速に起動・管理可能です。これにより、ウェブスクレイピングや自動操作、各種ウェブタスクの実行が効率化されます。
2. 自然言語処理との連携
Open Operatorは、OpenAIのAPIなどの先進的な自然言語処理(NLP)技術を統合し、ユーザーが入力した自然言語の指示を正確に解釈します。これにより、技術的な専門知識がなくても、直感的に高度なブラウザ操作を実行することが可能となります。
3. Stagehandとの統合
プロジェクト内では、Stagehandと呼ばれるオープンソースツールを利用して、ユーザーの意図を具体的なブラウザ操作(DOM操作や状態管理など)に変換しています。この連携により、操作の一貫性と信頼性が確保されています。
オープンソースの自由度
MITライセンスのもとで提供されているため、ユーザーは自由にコードにアクセスでき、カスタマイズや拡張が容易です。これにより、各種業務プロセスや研究プロジェクトに合わせた柔軟な対応が可能となります。
Open Operatorの使い方
Open Operatorは、GitHubからダウンロードして利用する方法と、Web上で利用する方法の2通りがあります。
GitHub:
Web:
今回は簡単に試せるWeb版から利用したいと思います。
Open OperatorをWeb版で利用する方法は非常に簡単です。
以下の手順で始められます。
1.Webサイトにアクセス
まず、以下のURLからOpen OperatorのWeb版にアクセスします。
https://operator.browserbase.com
2.プロンプトの入力
画面中央にある入力欄に、実行したいタスクや質問を入力します。
今回は例として次のプロンプトを入力しました。
プロンプト:
MicrosoftのIRページから最新の決算情報を取得し、収益、営業利益、純利益と決算のハイライトを教えてください。
3.実行
入力が完了したら、入力欄の右側にある「Run」ボタンをクリックします。
以下のように実際にOpen OperatorがWeb上で指定したタスクを実行します。
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タスクが完了すると、次のように実行結果を表示します。
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おわりに
おわりに、今回の記事ではOpen Operatorの概要とその機能についてご紹介しました。
Open Operatorを活用することで、ブラウザ操作の自動化が手軽に実現でき、特に技術的な知識がなくても複雑なウェブタスクを簡単に実行できる点が大きな魅力です。
一方で、タスクの実行に時間がかかることや、複雑な処理ではエラーが発生する可能性があるなど、まだ発展途上の部分もあります。
しかし、生成AIの進化によって、これらの課題が解決されれば、より幅広い分野での活用が期待できそうです。