【AIコンセプトボード】Google Mixboardを使ってみた

目次

概要

Google Mixboard(以下、Mixboard)は、Googleの研究開発部門である Google Labs が提供する実験的な「AIコンセプトボード/AIムードボード」ツールです。
2025年9月23日に米国向けにパブリックベータとして公開され、その後10月30日に日本を含む180か国以上へ展開されました(公式ブログおよび国内メディアの報道による)。

Mixboardは、テキストプロンプトやテンプレートを起点に、アイデアに沿った画像やテキストを自動で並べたボードを生成し、そこからドラッグ&ドロップや自然言語で編集しながらコンセプトを固めていくためのツールです。
PinterestやCanvaが「集めた素材を並べる」場だとすると、Mixboardは「そもそもの素材をAIに作らせながら考える」ための場所、という位置づけになります。

Mixboardの主な特徴と機能

1. AIコンセプトボード(無限キャンバス)

Mixboardは、FigmaやMiroのような無限キャンバス上に、画像・テキスト・図形を自由に配置できます。
Google公式はこれを「AI-powered concepting board(コンセプト検討のためのボード)」と表現しており、ホームデコレーション、イベントテーマ、新製品の雰囲気作りなど、ビジュアルブレインストーミング全般を想定しています。

2. テキストからのムードボード生成

テキストで「北欧テイストの小さなリビングルーム、木製家具と観葉植物」「レトロな海外旅行ポスター風の世界観」などと指示すると、Mixboardが複数の画像と色味、構図のバリエーションを自動生成し、ボード上に並べてくれます。
テンプレートを選んでからプロンプトを入れることも可能で、デザイナーでなくても“それっぽい”雰囲気をすぐに掴めます。

3. Nano Banana+Gemini 2.5 Flashによる画像生成・編集

Mixboardの画像生成・編集エンジンには、Google DeepMindの画像モデル Nano Banana と Gemini 2.5 Flash 系列が採用されています。

4. テキスト生成とメモ機能

Mixboardはビジュアルだけでなく、ボード上の画像コンテキストからキャプションや説明テキストを自動生成する機能も持っています。

Mixboardの提供形態・料金

2025年11月時点では、Google Mixboardは Google Labs が提供する実験的サービスとして、ウェブブラウザから無料で利用できます。
米国でのパブリックベータとしてスタートし、その後、日本を含む180か国以上へ提供地域が拡大しました。
ただし将来的には、Mixboardに有料プランが追加されたり、既存の有料サブスクリプションに組み込まれたりする可能性も考えられますが、現時点で具体的な公式発表はありません。

Mixboardの実際の利用方法

1. Mixboardへのアクセスと新規ボード作成

1.Google LabsのMixboard公式ページを開く。

2.「Get started」 をクリックし、Googleアカウントでログイン。

3.ダッシュボードで 「New project」 を選択すると、空のキャンバスまたはテンプレート選択画面が表示されます。

2. テキストからムードボードを生成する流れ

1.画面左上のプロンプト入力欄に、作りたい世界観をテキストで入力します。
Enterキーを押すと数秒で複数の画像が生成され、キャンバス上に自動配置 されます。

・プロンプト例:
「落ち着いた北欧カフェの内装、木目とグレー基調、観葉植物多め」

「初夏のアウトドアブランドのLP向けビジュアル、爽やかな青と黄」

気に入った画像を拡大・複製したり、不要な画像はDeleteキーで削除できます。

3. 画像編集とバリエーション生成

1.画像をクリックするとコンテキストメニューが開き、以下のように各種編集が可能です。

  • Regenerate(再生成)
  • More like this(似たパターンを増やす)
  • Edit with prompt(テキストで編集)

プロンプト:

ノートパソコンを配置して

2.画像を複数選択して「blend these(これらを組み合わせる)」と指示し、2案のいいとこ取りをしたようなビジュアルを生成することも可能です。

プロンプト:

観葉植物を配置して

おわりに

MixboardはアイデアをAIで簡単に可視化できるコンセプトボードツールです。
テキストプロンプトだけで、世界観に沿ったビジュアルやテキストを一気に展開できるため、デザイナーはもちろん、非デザイナーにとっても使いやすいツールです。

実際に機能を見ていくと、特に力を発揮するのは「まだ方向性がフワッとしている段階」だと感じます。
企画書の雰囲気をざっくり固めたいときや、クライアントに「なんとなくこういうイメージです」と共有したいとき、自分の頭の中にあるぼんやりしたイメージをいったん外に出したいときなど、従来のデザインツールよりもMixboardのほうがスタート地点としてしっくりくる場面が多そうです。

一方で、現時点のMixboardはあくまで「アイデアを広げるための実験的ツール」という印象もあります。
最終的な入稿データや厳密なレイアウトを仕上げる場ではなく、FigmaやPhotoshop、Canvaなどに渡す前の「たたき台」「方向性の確認ボード」として使うのが現実的な位置づけになるでしょう。

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この記事を書いた人

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