【一貫性重視の映像生成AI】Runway Gen-4を使ってみた

目次

概要

Runway Gen-4は、Runway AI, Inc.が2025年3月31日にリリースした最新の動画生成AIモデルです。
Runway AI, Inc.の公式発表によると、Gen-4の最大の特徴は「世界観の一貫性(world consistency)」の実現にあり、単一の参照画像から複数のカメラアングルや照明条件でも、キャラクターやオブジェクト、ロケーションを一貫して生成できる点が革新的です。
2025年4月8日には、Gen-4 Turboもリリースされ、Gen-4の5倍速という高速生成を実現しました。
Runway AI, Inc.はこれまでGen-1、Gen-2、Gen-3 Alphaと段階的にモデルを改良してきましたが、Gen-4は物理法則のシミュレーション精度が大幅に向上し、実写映像やVFXワークフローとの親和性も高まっています。

主な特徴と機能

  • 世界観の一貫性:単一の参照画像からキャラクターやオブジェクト、ロケーションを複数視点で整合的に生成。長尺の物語制作を想定した設計。
  • Gen-4 / Gen-4 Turbo:Turboは低コスト・高速で試作、Gen-4本体で品質仕上げという二段運用が推奨。
  • 生成仕様:動画は5秒または10秒。参照画像の入力が必須。解像度は16:9(1280×720)や9:16、1:1など複数アスペクト。完了後に4Kアップスケール可能。
  • リファレンス機能:Gen-4 Referencesで複数画像からスタイルやキャラクター要素を抽出し再合成。
  • 実写/VFXワークフロー親和:ライブアクションやVFXに“並べて”使える柔軟性。

提供形態・料金

Runwayは、以下のような料金体系・プランで提供されています(2025年8月時点)。

プラン月額(年払い)月額(毎月払い)月間クレジット目安主な特徴
Standard$12$15約625クレジット– Gen-4:1分生成可能
– Gen-4 Turbo:2分生成可能
– 動画エディタの4K書き出し(*)
– 背景除去(αマット)
– 2K画像書き出し
Pro$28$35約2,250クレジット– Gen-4:3分生成可能
– Gen-4 Turbo:7.5分生成可能
– Standard機能+ProRes/PNGシーケンス書き出し
– 背景除去(ProRes透過対応)
Unlimited$76$95約2,250クレジット+Explore Modeで無制限生成– Gen-4/Gen-4 Turbo無制限生成(Explore Mode)
– Proの全機能+大規模利用向け

※内容は随時更新されるため、最新情報はRunway公式サイトをご確認ください。

生成可能な時間(1ツールのみ利用した場合)

モデルStandardProUnlimited(クレジット)Unlimited(Explore Mode)
Gen-3 Alpha1分3.3分3.3分無制限
Gen-3 Alpha Turbo2分7.5分7.5分無制限
Gen-41分3分3分無制限
Gen-4 Turbo2分7.5分7.5分無制限

Runwayの利用方法

利用開始手順

1.Runwayの公式サイトにアクセスし、メールアドレスまたはGoogle・Appleアカウントでログインします。

画像生成から動画生成までの流れ

1.参照画像の生成

Runway Gen-4では、まず入力画像(最初のフレーム)を用意してから動画を生成します。
今回は、Gen-4の画像生成機能を使って火星探査のシーンを作成してみました。

Gen-4の「Text to Image」機能を使用して、動画の起点となる画像を生成します。

プロンプト:
An astronaut in a white spacesuit standing on red Mars surface, large Earth visible in the starry sky, dramatic shadows, rocky terrain, photorealistic, NASA photography style
日本語訳:
白い宇宙服を着た宇宙飛行士が赤い火星の地表に立ち、満天の星空には大きな地球が見えている。ドラマチックな影と岩だらけの地形。フォトリアルで、NASAの写真スタイル。

出力結果:

2.動画生成の設定と実行

生成した画像を入力画像として使用し、動きを加えて動画を生成します。

動画生成の設定項目:

  • Duration(動画の長さ):5秒または10秒から選択
  • Resolution(アスペクト比):16:9、9:16、1:1などから選択
  • Fixed seed:オプションで設定すると動きの再現性を確保

今回は5秒、16:9の設定で生成しました。

プロンプト:
The astronaut turns to look at Earth, then begins walking across the rocky terrain. Dust particles float in low gravity. Camera pans right following the movement
日本語訳:
宇宙飛行士が地球を振り返り、その後、岩だらけの地形を歩き始める。低重力の中で塵の粒子が漂う。カメラは右にパンしてその動きを追う。

出力結果:

今回は無料プランで利用可能なGen-4 Turboを使用しましたが、プロンプトで指定した「地球を振り返る」や「地形を歩き始める」の動作の一部が期待通りに反映されずやや残念な結果になりました。

おわりに

今回はRunway Gen-4を無料プランで試してみました。
無料プランで使えるGen-4 Turboではプロンプトで指定した「地球を振り返る」「歩き始める」といった具体的な動作指示が十分に反映されず、やや残念な結果となりましたが、雰囲気作りの面ではそれなりの品質を確認できました。
今後、有料プランでのRunway Gen-4の検証記事を作成できればと思います。

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