国産LLMのフラッグシップモデル「PLaMo Prime」とは?

目次

PLaMo Primeとは

PLaMo Primeは株式会社Preferred Networks(PFN)がフルスクラッチ開発した国産大規模言語モデル「PLaMo」シリーズの、大規模言語モデル(LLM)です。
2025年10月時点で、最新のモデルはPLaMo 2.1 Primeで、従来のPLaMo 2.0 Primeから大幅に進化し、特にエージェント機能と応答品質の強化が図られています。
PLaMoは経済産業省/NEDOの「GENIAC」プロジェクトの一環で開発が進められており、日本語処理性能において世界トップクラスを誇ります。
本モデルは、日本語タスクに特化した高い性能を誇り、文章生成や翻訳、要約、テキスト分析といった自然言語処理の幅広いタスクに対応しています。
また他にも翻訳に特化したモデルや小型のモデルも提供しています。

PLaMo Primeの主な特徴と機能

PLaMo Primeの主な特徴と機能は以下のようになります。

1. 高い日本語性能

独自の大規模日本語コーパスで追加学習し、生成品質ベンチマーク(pfgenなど)で国内最高クラスの成績。
ニュースやビジネス文書、法律文など幅広いジャンルで自然かつ正確な出力が可能です。

2. 長文対応能力

最大32,000トークンの長文入力に対応。
長文の要約、学術論文の解析、複雑なドキュメント生成にも活用可能。

3. RAG(検索拡張生成)対応

Retrieval-Augmented Generation機能を搭載し、社内ドキュメントやデータベースからリアルタイム情報を参照可能。

4. 高精度な翻訳性能

高品質な日英データに基づく追加学習により、長文かつ文脈依存性の高い翻訳にも対応。
日本語⇄英語の双方向翻訳に加え、他言語への拡張も視野。

5. マルチエージェント機能

PLaMo 2.1 Primeでは、タスクに応じて複数のツールやDBを選択・実行できる「自律エージェント」機能が強化。

6. OpenAI互換API

OpenAI APIと互換性のある構文と呼び出し方式により、既存アプリへの導入が容易。

PLaMo Primeの料金・提供形態

PLaMo Primeの利用・料金はそれぞれ次のようになります。

PLaMo Chat

期間限定で無料で利用可能

PLaMo API

  • 入力60円/100万トークン
  • 出力250円/100万トークン
    10万トークン分の無料クレジット付与

内容は随時更新されるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

PLaMo 翻訳

サブスクリプション:Free: 0円/月(上限あり)。Lite: 980円/月(税込1,078円、年額10,780円)

※オンプレミス有

内容は随時更新されるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。

また他にもAmazon Bedrockやパートナーソリューションから利用することができます。

PLaMo Primeの使い方

PLaMo Primeの利用方法はそれぞれ次のようになります。

PLaMo Chat

1.公式サイトにアクセス

PLaMo 公式サイトのトップページから 『Talk to PLaMo』を選択します。

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PLaMo PLaMoは、Preferred Networks (PFN)が独自に開発する国産の生成AI基盤モデルです。無料のChatやAPI経由ですぐにご利用可能です。

2.メールアドレスの入力

メールアドレスを入力し、「利用規約とプライバシーポリシーに同意し~」にチェックを入れてログイン・新規登録します。

メールアドレスに送られてきた、ログインコードを入力することでログイン・新規登録は完了です。

3.利用開始

メッセージ入力欄に質問やタスクを入力して、サービスを利用します。

例としてプロンプトに「自己紹介して」と入力しました。

PLaMo API

1.公式サイトにアクセス

PLaMo APIの利用にはユーザー登録が必要になります。
PLaMo 公式サイトのトップページから 『今すぐ登録』を選択します。

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PLaMo PLaMoは、Preferred Networks (PFN)が独自に開発する国産の生成AI基盤モデルです。無料のChatやAPI経由ですぐにご利用可能です。

2.ユーザー登録

次の3ステップで、PLaMo APIの利用が開始できます。
※利用にはクレジットカードの登録が必要になります。

3.APIキーの発行

登録が完了し、管理画面に遷移後、APIキーを発行します。
今回はあくまでお試しですので、新規プロジェクトを作成せずに「Default」のプロジェクトを選択します。

「APIキーを追加する」を選択してください。

APIキー名を入力します。

APIキーが発行されますので、厳重に保管してください。

PLaMo APIの利用方法

発行されたAPIキーを活用し、Pythonなどのプログラムから利用できます。
PLaMo APIはOpenAIと互換性のあり、ライブラリの流用も可能です。

以下はPythonを使った利用例です。
事前にPythonとOpenAIライブラリのインストールが必要です。
インストールされていない場合は、それぞれ次の方法でインストールします。

Python: 公式サイトからインストール。

Python.org
Welcome to Python.org The official home of the Python Programming Language

ライブラリは次の手順でインストールしてください。

pip install openai

Pythonコード:

from openai import OpenAI

# APIキーを直接指定
client = OpenAI(
    api_key="Your-APIKey", 
    base_url="https://platform.preferredai.jp/api/completion/v1",
)

completion = client.chat.completions.create(
    model="plamo-2.1-prime",
    messages=[
        {"role": "system", "content": "質問に回答してください。"},
        {"role": "user", "content": "PLaMo APIの活用事例"},
    ],
    stream=True,
)

for chunk in completion:
    if chunk.choices and chunk.choices[0].delta.content is not None:
        print(chunk.choices[0].delta.content, end="", flush=True)

‘Your-API-Key’に実際に取得したAPIキーを入力してください。
※開発や運用時は、環境変数や設定ファイルなど安全な方法でAPIキーを管理・参照してください。

実行結果:

おわりに

PLaMo Primeは、日本語処理においてトップクラスの性能を誇る国産LLMです。
長文処理や検索拡張生成(RAG)機能など、さまざまな分野での応用が期待されています。
特に、ビジネス文書作成や翻訳、学術分野での活用においてその価値を発揮します。
今後のアップデートや、翻訳専用モデル・新APIの発展にも注目です。

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この記事を書いた人

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